「エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン(2011/ドイツ) 」を見た

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先日、「エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン」(2011/ドイツ)を見ました。前から気になっていたので楽しみにしていました。

普通の映画というより、静かに流れるドキュメンタリームービーという趣で、余計な能書きが無くてそこがかえって良かったです。タイトルにもある通り、50席にも満たないシートに、年間予約が200万件押し寄せるという恐ろしい人気のレストランです。泡の料理、エスプーマという手法、機材を世界で初めて開発したのもこの人で、日本の食材柚子を世界的に知らしめたのも彼の功績です(映画の中でも、結構日本の食材の話しが出て来ます)。一年のうち半分は料理開発のためにお休みになっています。この映画はその舞台裏、というより厨房裏のドキュメントと言った方が適切でしょう。

レストラン自体は今はもうやっていないのが残念なのですが。。。

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見ていてとてもおもしろいなと思ったのは二点。

一つはレシピ開発中に、スタッフが誤ってPCのレシピデータを消してしまうシーンがあるのですが、それで世界No1のカリスマシェフ、フェラン・アドリアが烈火のごとく怒るところです。報告が遅れたというのもあるのですが、スタッフが「でも紙で残ってますから」と言うと、「紙なんかあったって意味が無い!データだ!データで残っている事が大事なんだ!膨大なレシピを整理するにはデータしかない!こんな紙ばっかりでどうする気なんだ!」と怒ります。まさかこの世代でデータなんて言うのか、とちょっと驚きました。データの大事さをちゃんとわかってるのですね。

もう一つは、やはりきちんと周りに信頼できるスタッフ(懐刀)をおいているところです。組織論的に非常に勉強になりました。フェラン・アドリアが自分で直接料理を作る事はほとんどありません。まあ当たり前の話しで、自分でやってるとレストランが回らなくなるからです。それで回るのはせいぜい10席前後の小さなレストランでしょう。エル・ブリは50席近いですから、当然自分が動いていてはどうにもなりません。おまけにこのレストランは客席数よりスタッフの方が多い(60名)のです。

通常営業のオペレーションだけではなく、普段のレシピ開発についても、基本は信頼できる主任シェフ(経歴13年とか4年とか)に最初かなりの部分を任せ、上がってくるものをチェックしながら、ここ直せ、あれ入れ変えろ、という指示を出し、料理をクリエイトしていきます。「作業」は基本的に有能なスタッフに任せています。

 

私もそういう点をもっと見習わないとならないなぁと思いました。単に料理好きの人だけではなく、ビジネスの上でも、いろんな意味で刺激を受けた、良い映画でした

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