僕の自宅には葛飾北斎の「北斎漫画」の版画が何枚かあります。「北斎漫画」とは葛飾北斎の描いた「画集」で今で言うところ「イラスト集」です。世の中の森羅万象、人から動植物に静物に建物から、ありとあらゆるものをスケッチしています。今の漫画の原型と言えるかも知れません。海外では「ホクサイ・スケッチ」として有名で、むしろ北斎没後、海外で発見され価値が再評価されたと言っていいと思います。
僕は「北斎漫画」をコロナ前、神保町の浮世絵専門店(実は四店舗くらいあります)でバラ売りしているものを何点か買い、北海道札幌に連れて帰りました(実は東京出張中、たまに立ち寄っているのは内緒だ)。購入した古書店は何しろ浮世絵専門店なので特に混雑もしておらず、また他の古書店と違って結構外国人の方も立ち寄る感じで、ゆったりとした時が流れています。行くと至福の時間です。
最近はすっかり「北斎漫画」は高級品となり、初刷りだと手の届かない価格帯になっていますが、そこまでではないやつだとバラ売りされたりしており、実は意外と安く買うことが出来ます。勿論外国人好みの派手な奴は少しお高いお値段になっていますが、にしても結構です(詳しくは店頭でどうぞ)。
葛飾北斎は僕が大好きな画家の一人で、日本国内ではそれほど人気はありませんが(最近は別かな?)、世界的には超がつくスーパースターで、モネ、マネ、ドガ、ゴッホ、印象派をはじめとする欧州の画家に巨大な影響を与えた画家です。
1998年にアメリカの『ライフ』という雑誌で「この1000年間で最も偉大な業績をあげた世界の100人」に日本人として唯一のランクインしています。
Life’s 100 most important people of the second millennium
86 HOKUSAI 1760-1849
At the age of 74, Hokusai, one of the greatest artists of the millennium, bemoaned his lack of talent. “Of all I drew prior to the age of 70 there is truly nothing of any great note,” he wrote, predicting that “at 100 I shall have become truly marvelous.” The master painter, illustrator and printmaker of the Japanese Ukiyo-e school of art didn’t make it to his century mark, but he did create thousands of treasured images–of landscapes, flora, fauna, historical scenes–including the print series Thirty-six Views of Mount Fuji. His work influenced the French Impressionists, especially Paul Gauguin.
北斎は90歳で亡くなりますが、80過ぎの最晩年、娘の応為(よくおーい、と北斎が呼びかけるので応為になったとか?)の前で落涙するので、娘がどうしたのかと尋ねると「八十を過ぎるってのに、未だに猫一匹まともに描けねぇ」と嘆いたと言う有名なエピソードがあります。
彼は仕事をやらされてもおらず、残業制限も受けていなかったでしょう。
僕はアートではなく商業アートであり、Webコンサルの請負開発として、お客様の願望を叶えるお仕事ではありますが「創作」についてはそのようなストイックな姿勢でありたいと常に思ってます。
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