大信州酒造さんの酒蔵見学に行ってきた(2)-シアワセな酒蔵見学編

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経営・ビジネス

という事で、えらい時間がかかってしまって大変申し訳ありません。4月上旬に書いた

からの続き、第二弾です。

そこで若干緊張しつつも、スタッフと二人で(仕事で同行していたスタッフをそのまま連行。ちなみに無類のビール党です)大信州酒造さんにおじゃまさせて頂きました。突然怪しげな者がおしかけたにも関わらず、非常に丁寧な応対をして頂きました。応対をして頂いたのは常務取締役 製造部長の田中勝巳さんと製造部醸造課係長の森本貴之さんです。改めて深く御礼申し上げます。

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大信州酒造さん。長野市内の本社。こちらでは酒蔵で、ボトリングは松本の工場で行っているのとのことです。見ての通り入り口も小さな酒蔵です。

オフィスでまずはご挨拶させて頂き、事前にご説明させていただいた経緯を改めてお話させて頂きました。とても驚いた様子でしたが、「うちは見ての通り、小さな蔵で、特に観光客向けに何かやっている訳でもないので、逆に恐縮なのですが・・・」とおっしゃりつつ、大変丁寧なご対応をして頂きました。お忙しい中本当に感謝です。

簡単なご挨拶の後、まずは酒蔵を見学させて頂きました。約1時間に渡って、森本さんに至れり尽くせりでじっくりと説明頂きました。いや、これがもう至福の時間としかいいようのない、楽しいひとときでした。また、ここで普段飲んでいるお酒が造られてるかと思うとホント感無量です。それと同時に、蔵の中を回っていて、良い酒を造る、という気持ちが随所からびしばし伝わってきました。

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まずは「精米」のプロセスです。大信州さんでは自社で精米を行っており、酒蔵の中ではかなり珍しいとの事です。そして農家にお米を契約栽培してもらっており、お酒を造るときに、他の農家の米をまぜない、という事です。たとえ同じ品種の米でも、混ぜないそうです。これを実現出来るのも、自社で精米機を持っているからこそです。農協経由の購入になると、集荷時に全部一つのタンクに混ざってしまいますので、もう誰が作ったもんだか、訳がわかりません。

つまり農家から見れば、このボトルの酒が、うちの米で出来た酒だ、という最終生産物(日本酒)がはっきり明確にわかりますから、やはり米作りのテンションが違いますよね。逆に言うと酒を造る側から見ると、香りが足りないから香気成分を足すとか、そういう「ごまかし」が出来ない、ということでもあり、非常に神経の使う、難しい酒造りと言うことになります。

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同じ品種の米でも、やはり作っている農家によって味が微妙にかわってくるとのことで、複数の契約農家に栽培をお願いしているそうです。そこも考慮した酒造りが大事とのことです。

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米蒸しコーナーで、熱く語る森本さん。ホントに興味深く、おもしろかったです。

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なるほどなるほど・・・

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この真下に醸造タンクがあります。

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ここが「麹造り」を行う室(むろ)。もうシーズは終わっていますので、閑散としていました。酒蔵ではここにあまり外部の人を入れないのですが、大信州酒造さんではあっさり入れてくれました。そもそも見て盗まれるようなものではない、という考えとのことで、繁忙期に見学に来ると、忙しいのでちょうど良いと蒸米を混ぜる作業を手伝わせたりしてくれるそうです(笑)。

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同じく室。酒造りの時期に是非お手伝に来たい・・・。

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こちらは酒母室。お酒の酵母菌を大量に増殖させるお部屋になります。いわゆる「もと造り」という行程になります。

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ここでの酵母の出来が、お酒造りを決定的に左右する、大事な行程になります。この手前のタンクは、若い杜氏さんが修行もかねて造ってる最中のものだそうです。こだわりの酒屋さんだと、いろいろと品質に対する注文も多く、条件をクリアするも大変だとおっしゃっていました。そうしないと店頭に置いてもらえないのだそうです。

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そしてこれがタンク。いわゆる「仕込み」のプロセスです。この小さいタンクは蔵では最小で、純米大吟醸用だそうです。タンクが小さくなればなるほど、温度等の管理がしやすくなり、より高品質のお酒が造れますか、当然ながら造れる量は限られてきます。

それとは逆にタンクが大きくなるほど、管理が難しくなる点がありますが、製造量を増やす事が出来ますので、お買い得なお酒を造ることが出来ます。大信州さんでは、小型のタンク(今写っている、純米大吟醸用)、中型のタンク(ちょっと奥に見える。吟醸用)、大型のタンク(普通酒)と分けて造っているそうです。ちなみに今年はかなり普通種の出来も良い年だとのことです。

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写真を見ると、タンクにベルトのように黒い布ようなものが巻き付けてあるのが見えます。実はこれ、ある意味温暖化対策なんだそうです。当たり前ですが、発酵をすると、熱を発生します。その熱を冷ましてやらないと、お酒がダメになってしまいます。この黒いベルトは実は布ではなく、ゴムになっていて、中に冷水を流し込むパイプが何本も通っており、発酵で発生した熱を逃がすようになっているのだそうです。触るとひやっとしており、空気との温度差でしっとりと濡れていました。

大信州さんの説明によると、なんでも昔はこういう設備は必要なかったとの事なのですが、長野でも年々必要になってきている、とのことです。業界的に西日本では元々暖かい地域のため、こういう冷却装置を備え付けてある蔵が多いのに対し、東や北日本ではもともと冷涼な地域であったため、こういう設備がある酒蔵がなく、導入にあたっては、少し苦労しているところが多いかもしれない、との事です。

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これが「搾り」のプロセスで使う機械です。下の板を差し込んであります。

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こういうアコーディオンみたいな板を使って、もろみを搾り、酒と粕に分けていきます。ちなみにこの日、おみやげに粕をもらったのですが、う、うまいことうまいこと・・・。


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そして火入れをした後、こちらのタンクに保管され、瓶詰めされていく事になります。写真だと人が写ってないのでわかりにくいかもしれませんが、柱がものすごい太く長いです。すごい歴史を感じさせます。

ということで、書ききれませんでしたが、ダイジェストにまとめてみました。何しろ初めての見学ですので、とても興味深く、「ワシがお世話になっているお酒はここで出来てるのか・・・」と思うと、ホント感無量でした。

全体的に感じたのは、失礼ながら本当に小さな酒蔵なのですが、高品質のお酒をきちんと造っていこう、という気構えというか、哲学、姿勢、行動というのが随所に感じられた、という事です。そして我々はWeb&モバイルの業界で、全く畑違いのお仕事ですが、ものすごく哲学や理念で共通する点があると感じました。実はこれこそが今回の見学で、最大の収穫でもありました(詳しくはまた後で)。

いや、それにしても、書いていて当日の事を思い出すと、またテンションが上がってきました。本当に楽しかったなぁ。という事で、次はいよいよ利き酒編に進みます。


ただの飲んべえ日記みたいになって来てしまいましたが・・・いつの間にか「日本酒・酒蔵」とかいうカテゴリ出来てるし・・・気に入ったら押してやってください→にほんブログ村 ベンチャーブログ ベンチャー社長へ

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