田舎のレストランに行くと、良くいろんなものがメニューに並んでいます。
ラーメン、パスタの麺類は勿論、握り寿司、生姜焼き定食にはてはカツ丼中華丼まで。
一体何屋さんなの?というくらい、いろんな料理を作っています。
しかし、田舎のレストランではこういうメニュー構成はかなり当たり前というか、普通です。
先にご紹介したエントリで、よなよなエールのお話しを元に企業が勝ち残る経営戦略として、
「短期的に見ると、製品ラインの拡張は常に売上を増大させるが、長期的な効果は無残で、結果として売上は大きく落ち込む。マーケティングにおけるもっとも協力はコンセプトは、見込み客の中にただ一つの言葉を植え付けることだ」
というアル・ライズの理論をご紹介させて頂きました。
田舎のレストランというのは、まさにこの経営戦略の真逆を行く方法論であって、ほとんどのレストランが多かれ少なかれこういう選択をしています。田舎に行くとよく見ますよね?こういうお店。
では、どうしてそれにもかかわらず、間口を広げまくる田舎のレストランが生き残るのか。それは単なる企業規模のお話しではなくて、私は二つのキーがあると思っています。
一つは、市場占有率が高い事。田舎は元々お店自体の絶対数が少ないです。そういう点で、市場占有率が高い。また占有率を高めるためには(他に顧客が逃げないようにするためには)、エリア内の顧客の多様な要望に幅広く応えていく必要があります。その結果商品ラインナップが増えていくわけですね。この辺は鶏が先か卵が先か、というお話しではあると思います。
そしてもう一つは、たいていの場合、じじばば、もしくは3ちゃん経営でやっている、つまり固定費が異常に低い事です。つまり超低コスト経営です。
一人の料理人がマルチプルに、器用に様々な料理を作る事が出来る。これこそが実は勝利の方程式ではないかと。
企業が生き残る、成長するためには、いかに利益率を上げるか、という事が重要です。星野リゾートの再生例でもそうですが、フロントもやるが空いている時間は風呂掃除もやるとか、一人で何役もこなすというのはコスト削減・利益率の向上に直結します。
田舎のレストランは小難しい経営理論を学んでそうしている訳でなく、まさに本能でその道を選択している訳です(いや、中には熱心に経営を勉強されている方もいらっしゃると思います、はい)。
田舎のレストランに入ってメニューを見ると、いつもそんな事をなにげに考えています。
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