先日、日経ビジネスを見ていたら、キャノン電子株式会社の記事が出ていました。キャノン電子では、IT系企業の会社であるにもかかわらず、PCの利用については一定の制限があり、例えば朝は9時半からじゃないとPCが使えない仕組みになっています。
今の社長さんは酒巻さんというのですが、社長就任後、取引先に直接謝罪にいくべきことでも怒られることを嫌がってメールで済ませようとする社員の姿を目の当たりにし、PCの利用に制限をかけるようにした、という事が書かれていました。
PC利用に制限なんて書くと酒巻社長はIT音痴のようにも思えますが、実はNeXT開発経験もある、かなりの使い手です。酒巻社長が社長に就任後、キヤノン電子の業績はかなり向上しています。
私もこの業界がいい加減長いですので、わかるのですが、IT業界というのは、気をつけないと、好きなだけ引きこもることが出来る業界です。メールやチャットだけで、直接話しをしなくても何とかなってしまいます。
つまり、自分の心に弱さや怠け心があって、あの人と話しをするのがつらいな、イヤだな、と思うと、簡単にそれが実現してしまうのです。
実際、過去弊社の社員や、お取引先のスタッフの方にも、ちょっとややこしい局面になるとなかなか連絡がつかなかくなったり、電話をかけずに済ませようとする人がいました。
確かに自分がヘマをした時というのは、大変憂鬱です。しかし、そこで逃げると「逃げクセ」がついてしまいます。つらいときこそ絶対に逃げてはいけないのです(とは言うモノの、気が重いですよね)。
仕事って、結局「人間力」が問われるなぁといつも思います。つらいときに「自分探しの旅に出ます」と言って逃げ回るのではなく、顧客と心身に向き合い、どこまで一生懸命やれるかです。「置かれた場所で咲きなさい」。私の好きな言葉です。全力でやるだけやってもうまくいかない事もあります。そこは仕方が無いので受け入れればいいのです。命まで取られるわけではありません。開きっている訳ではありませんが、ベストを尽くす、そして達観するのは大事な事です(ま、なかなかそういう気持ちになれないから-若いと特に-大変なのですが)。
ちなみに社長はその中でも一番立場上「人間力」を問われる仕事です。心身の過酷さは社内で一番厳しいポジションです。なかなか気軽に相談も出来ません。でも、社長なんだから当たり前ですよね。そういうものだと思って淡々と仕事をすることが大事だと私は思っています。
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