- 東京新聞:23区内の私大定員抑制を告示 文科省が新基準:社会(TOKYO Web)
文部科学省は二十九日、東京二十三区内の私立大と私立短大について、二〇一八年度の定員増と一九年度の大学新設を原則認めないとする新基準を告示した。東京への若者の一極集中を是正する狙いだ
簡単に言いますと「都内に大学が集中しまくっているので、もう少し地方に分散させて、地方を元気にさせましょう」ということです。
すでに首都圏に基盤のある私大にとっては確かに大問題ですが、地方に住んでいる人から見ると、なるほど一見すると一理あります。東京都の人口は平成29年9月時点で約1,370万人、ざっくり言うと日本人の10人に一人は東京に住んでいる計算です。一極集中は大きな問題かもしれません。
では、果たしてこの大学の新設、定員増の制限は実際どの程度東京都への人口集中に抑制効果があるのでしょう。
ということで軽く数字を調べてみました。まず、最近東京はどの程度人口が増えているのかを見てみましょう。
こちらのエクセルを拾って年度別に再度集計しなおすと、こんな感じになりました。
この数字は外国人を除いています。また、他県からの人口流入以外に、東京でお亡くなりになったり、生まれた赤ちゃんの数が含まれています。
平成22年は統計上外国人の数字だけ分離集計されていないため、増減数=日本人数と見なしています。
グラフを見ますと、平成23年と24年も増加数が大幅に減少していますが、これは東日本大震災の影響でしょう。改めて震災の爪痕、インパクトがわかります。ちなみに、
平成23年 16,130人
平成24年 15,422人
の外国人が東京都では純減しています。放射能を懸念してだと思われます。このため、この年の増加数はすべて日本人になります。
このように、震災という特殊要因があるとはいえ、一貫して東京都への人口は集中しており、この7年間で実に日本人だけで365,410人が流入しています。
それではこの7年間、東京都ではどの程度大学生が増えたのでしょう。
首相官邸に資料がありました。
ここから学生の増加数だけを拾うとこうなります。
この7年間で約3万人増えたことになります。
つまり、まとめると、東京ではこの7年で人口が約36万人増加し、そのうち約3万人、約8%が大学生だったことがわかります。
この報告書にもありますが、大学卒業後の地元定着率や、また学生としての生活をしている間に落とすお金を考えると、やはり8%とはいえ、結構ばかにならないインパクトのような気がします。
基礎的な資料を見た限りではありますが、この点で、首都圏に人口が集中するのを抑制する、という点で、大学の新設や定員の増加を制限するというのは一定の効果が見込めるのかもしれません。ただし、それが「地方活性化」につながるかどうかは全く別の問題のように思います。そこは分けて考える必要があるように思います。
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