珍しく東京出張が土曜にまでかかったので、起草の系譜展、行きました。
こりゃやばいぜ。これまで江戸絵画の歴史において亜流傍流アウトサイダーという位置付けだった作家達が近年メインストリーマーとして評価され、それを決定づける1つの到達点とも言うべき展示会です。歴史の転換点とも言うべき展示会かも。見なずに死ねるか?
まず入っていきなりオープニングが若冲の象と鯨図屏風。これはやられた。まさか出し惜しみをせず頭にいきなり若冲持ってくるとは。展示会のコンセプトに相応しい出だしの一撃。見るのはMIHO MUSEUMで2007年以来。泣きそうになる。その後も旭日鳳凰図、雪路鴛鴦図、白梅錦鶏図、虎図とガンガン攻めてくる。プライスが始めて買った若冲の作品葡萄図も来てる。二十代中頃にニューヨークの古物商で確か80万円位で買った品であり、これがコレクション第1号になりました。今買えるなら桁違いで済むか?非常に歴史的に意味のある作品です。
これを買った当時プライスはこれが若冲の作品だと言うことも、そして若冲が誰かと言うことも知りませんでした。そしてこれが彼がその後若冲と共に人生を歩む歴史的な一歩となりました。いやーマジですか。こんなにエツコ&ジョー・プライスコレクション出してきたのか。ビックリ。これはもう客寄せパンダ、オマケのレベルじゃない。ガチじゃん。辻先生パワー恐るべし。
曾我蕭白の富士・三保松原図屏風と再見。見たのは京都の国宝展以来?こんな富士山の形は未だかつて誰も見た事がない。もうSFです。更に日本画では滅多にモチーフにならない対岸にかかる虹との対比が大きな空間を更に演出しています。これもMIHO収蔵でMIHOは他にも良い作品を隠し持っていたかと(単に私が知らんかっただけですが)改めて気づく。 何しろ収蔵目録一切表に出さない美術館ですからね。3センチ角に描いた五百羅漢像もなんじゃこりゃあ。長沢芦雪のなめくじ図なにこれ、自由すぎる。法度の中に新意を見出すどころじゃない。ぶっ飛んでます。岩佐又兵衛の重文の山中常盤の絵巻こええ。描写が生々し過ぎる。注意書き書いてるわけだ。狩野山雪はすいません、ピンときませんでした。白隠慧鶴の達磨図は相変わらず良いね。大分の寺だったのか。今度じっくりいかねば。白隠が奇想の基点だったのかと始めて知りました。鈴木其一は全く知りませんでしたが、完全に当たりだこりゃ。琳派の豪華さには個人的にはあまり関心はないけれどとても独創的な人ですね。柳に白鷺図屏風の凛とした空間の演出がすごい。これもプライスコレクション。爺さん、あんたどんだけ見る目あるんだ。もう脱帽です。国芳猫飼好53匹無かった後期出展かな?あーもう二、三回行きたいです。
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