先日、なにげに(いつもですが)ネットをブラブラしていたら、ものすごいブログを見つけてしまいました。既にはてなブックマーク等で、ものすごい数のコメントがついていますので、ご存じの方もいらっしゃると思います。
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アイティメディア オルタナティブブログ) - 娘を攻撃する学校裏サイトに親としてメッセージを書いた結末
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実は私も娘がおり、今年小学校に上がりました。しかし、普段忙しくてなかなかコミュニケーションを取ることが出来ていません。という言い訳を良くしています。そういう反省もあり、今のうちからが大事だな、と、最近は割ときちんとコミュニケーションを取るようにしているのですが(にしても、つれあいに言わせると、私は半分くらいは話を聞いてないらしいのですが)、この吉田さんのお話は関心させられるやら、反省させられるやら・・・お嬢さんもしっかりされてらっしゃいますし、つれあいと少しこの件でディスカッションをしました。逆にいろいろと考える良い機会になりまいた。お礼を言いたいくらいです。
さて、実はネットと子供、という事でいうと、私も数年前、ある経験をしたことがありました。これは娘ではなく、長男である息子の話なのですが、息子は小学校の時、とあるサッカー少年団に参加していました。このカントクは、どちらかとういと、いわゆる「肉体言語系」の方でした。基本的には子供好きの良いカントクなのですが、熱くなるとしばしば手が出てしまうという、なかなか今時チャレンジャーな方です。ですが、幸いな事に(?)当時参加していた親御さんは、体罰に対してラディカルな反応をする人が皆無だったという、今のご時世から考えると、奇跡のような取り合わせだったため、ほとんど問題にはなっていませんでした(ただ、いろんな意味でまずいよね、という空気はありました)。
そしてとある試合の日、それは起きました。息子がかなりカントクに怒られ、殴られてしまったのです。ところが、その日たまたま私も含めた家族は、用事があって、その試合を見学することが出来ませんでした。その後もなんだかんだと試合や練習に立ち会う事が出来ず、私がその事を知ったのは、随分経ってからの事でした。
ある日、試合の当番で(親が持ち回りで子供達の面倒を見ることになっています)久しぶりに出ていたとき、他のお父さんから「なんかネットで書かれているよ」という事を聞いて、初めて事の次第を知ったのです。目撃者の話によると、熱くなったカントクが、どうもいつもより、かなり強めに手を出してしまったらしく、さすがにそれはないんじゃないかと(教育的趣旨を逸脱している)、他のお父さんが後から注意したというのです。「自分の息子が殴られた話が板に書かれている?」ネットでご飯を食べている私ですが、さすがにこれは灯台もと暗し的想定外で、いろんな意味でびっくり仰天してしました。
今のご時世、ちょっと、いや、かなりひんしゅくなのかも知れませんが、私自身は、「体罰」という事自体が必ずしも「悪い」事だとは思っていません。時と場合によっては、必要な事もあるのではないか?という立場です。私自身、小学校の時に、あまりに言うことを聞かず、怒った先生に殴られた事がありましたが、性根からの問題でその先生が私を叩いた訳ではない、という事を、小さいながらも私自信、理解していました。勿論滅多にありませんでしたが、基本的には私自信、あっけらかんとした性格だったこともあり、先生には良くかわいがってもらったと思っています(むしろ成績も悪かったですし、相当手数のかかった子供だと思いますが・・・)。子供はある意味ノーヴル・サベージ、「高貴なる野蛮人」です。良い悪いは別にして「人の生身の、裸の感情」に、直に触れることによって、論理ではなく、無条件に、ああ、これはやってはいけない事だったんだな、と「感じる」ことは、結構大事じゃないかな、と私は思っています。そしてそれが他者に対する真の思いやりにも繋がる様な気がしています。勿論よそ様のお子さんに強制する様なお話ではないのですが、少なくとも自分の息子にはそういう考え方もありではないか、と私は思っています。
話がちょっとそれてしまいましたので、元に戻しますが、息子も私に似て(底が抜けたような)あっけらかんとした性格の子なので、特段「やられた」という意識も無かったようなので、家族の中でも話題にすらなっていませんでした。なので、その話を訪ねると「ああ、そうだ」というようなのんびりした応対でした。
何しろ普段から注意力が散漫で、良く怒られる子ですから、何かカントクの神経をサカナデでしたのかも知れないな、とも思いましたが(信じてない訳ではありませんが、自分の息子であるだけに、妄信せずにまず息子を疑う、というのは大事な事だと思っています)、周囲から話を聞いた限りでは、結構強烈な状態だったと聞き、その場にいなかっただけに、余計心配になりました。息子の事も勿論そうですが、ヘタにネットで大きな事になっていると、サッカー少年団事態の存続に関わってくるかも知れません(私が騒げば多分問題としては間違いなく大きくなったと思います)。カントクには確かにしばしば問題はあるかも知れませんが、基本的には悪い人ではありませんし、少年団自体に何かあっては困ります。通学や送迎の関係で、この少年団じゃないと、サッカーが続けられない、という子供さんもいるのです。そこで、まずネットで関係のありそうな板をサーチしまくったところ、すぐに見つける事が出来ました。が、特に何か実名で出ていた、というような事ではなく、
「先日の大会で○○○○のカントクが子供を叩いてたぞ」
「あほじゃねーの。あいかわらず脳筋野郎だよな」
みたいな書き込みで、特段個人を名指ししているものではなく、少しほっと(?)しました。
が、ついにでいろいろと見ていくと、どうもそこは(複数の箇所)「子供」というよりは「父兄」の方の(というか、その方が多い)たまり場になってるようで、大人が書き込んだと思われるようなスレが沢山立っており、「どうしてうちの息子を使わず、下手な子を使うんだ。采配おかしいんじゃないか?」とか、普段あまり直接は言いにくような話なども書かれており、なるほど、みんな(一部ですね)ここでいろいろと書いてるのか、にしても、やっぱり似たような事考えてるんだなぁ・・・とか、妙に関心してしまった次第です。
結果的にはカントクもかなりまずかったと反省したようで、以後体罰は全般的に自粛し、結果的には良い方向に行ったのですが、今回の吉田さんのブログを読んで、このことを思い出しました次第です。
吉田さんは、まさにITを生業とされている方ですので、Googleアラートを使ったり、検索をかける、という事は極めて普通に高いレベルで出来る、リテラシーの高い方です。私自信もこの業界の人間ですので、匿名だと思っている人の書き込みからIPアドレスを引っこ抜いて、どこから書いたかを特定するとか、恐らく普通のお父さんよりは、相当詳しい方だと思います。何しろ好きが高じて(なのかな?)ネット専業の開発会社を立ち上げている位ですから、当たり前といえば当たり前です。
ところが、同じ年代でも、「普通のお父さん」はそうではありません。実際、私は40歳になったくらいの年齢で、まだ一般的にはお父さんの中で若い世代だと思いますが、ここ数年、やっとメール使い出しました、という同年代の友人はゴロゴロしています。私が学校を出て就職したとき、まだDoCoMoは存在していませんでした。僕らのような「若い父さん」ですらこれです。
かたや、おぎゃあと産まれたときから車の窓は電動で(この前たまたま代車で古い車に乗せたら、窓の開け方を聞かれて焦りました・・・)、携帯電話があり、着メロがある世代です。普通に考えれば親より子供の方が100倍詳しい、というのもある意味当たり前の事なのかも知れません。
息子は今中学生で、携帯を持たせていませんし、パソコンも使わせていません。欲しいようなそぶりもたまに見せますが、私は個人的には百科事典を買いなさい、辞書を引きなさいといっています。ネットを使いこなす前に地頭を鍛えなさい、英語を学ぶ前に、美しい日本語を学んで欲しい、と思っています(なのに気付いたら、娘はキッズ英語スクールとかいってますが・・・ちなみにNPOがやっている月4回2,000円コースです。どうやって採算取ってるんだろう?逆に心配になってしまいますが・・・)。
最後ははなんだか散漫になってしまいましたが、吉田さんを囲んだ飲み会が木曜にあるそうです。私もその日東京に出稼ぎ、いや、出張なのですが、既に定員という事でとても残念です。また機会があれば末席にでも参加させていただければ・・・と思っています。ネットはいろいろと問題もありますが、このような事や人を知り得たのもまたネットのおかげです。私は良い時代に産まれたと思っています。
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