以前、いろんな事情があって、つぶれそうな会社のてこ入れに入ったことが何度かありました。結果的に精算されてしまったところもあるのですが、そういう会社に行くと、いつも良く思っていたのは
「なんだかよく分からないけど、オフィスの雰囲気が異様に重苦しい」
という事です。なんて言うんでしょう、空気が重く感じるというか、私は当時からこんな調子だったので(どんな調子?)、ネタ振りまくっていたわけですが、いつもどこかそんな雰囲気が、蔓延していました。
まず一般的なイメージで言うと、つぶれそうな会社というと、みな不満たらたら、ケンケンがくがく、という雰囲気が想像されますが、実際は真逆で、極めて社内の空気は平穏で安穏としています。なぜなら、そういう文句を言う元気のある人は、よそに行ける人であり、あらかた「脱走」してしまった後だからです。なので、残っている人というのは、基本的によそにあまり行けない人が最期まで残ります。言葉は悪いのですが、さながらエスニッククレンジング、「民族浄化」の様な状態になっています。
また、これも真逆だなぁ、と思ったのですが、儲けている会社ほど、明日つぶれるんじゃないか、という切迫感というか、勢いがある事が多かったような気がします。
それで、先日三枝 匡さんという地味ですが、かなりその筋では有名な実力派経営コンサルタント(今はミスミの会長をしています)が書いた小説調の(めちゃくちゃおもしろいです)「V字回復の経営」にほとんど同じような事が書かれてあって、びっくりすると同時に、なるほど!と思わず膝を叩いてしまいました。
V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)
私は当然三枝さんのような優秀な経営コンサルではありませんが、とりあえずKYじゃなくて良かったな、と思います。多分ですが。。。
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