組織には大きくいってしまうと、二つの形があると言われています。一つは野球型、もう一つはサッカー型です。野球型、というのは、監督の采配がかなり細かく実現できる形です。次は見送るのか、バントなのか、打っても良いのか、ベンチから指示を逐次出すことが可能です。マネジメントしやすい形だと思います。一方、サッカー型というのは、大きな方針、ルールを決めて、後は選手に任せてしまう、というより、任せざるを得ない形です。このため、選手一人一人の戦略や戦術の咀嚼力、実行力が問われてきます。
私はどちらかというと小姑系なものですから、「細部に神は宿る」という言葉そのままで、スタッフへの指示や指摘は細かくなりがちです。その点では野球型なのかも知れませんが、そろそろ人数も増えてきている中で、完全に目が行き届かなくなっている部分も正直あります。また、任せて安心、な場合も増えてきている事もあり(正直なところ、勿論その逆もあります。もっとも向こうもそう思っているかも知れませんが。。。)、恐らく実態としては野球型とサッカー型が混在しているのではないかな、と思っています。ちょうど遣り方を変えなくてはならない、端境期に差し掛かってきてるのかも知れません。
私はユニクロの柳井社長が書いた「一勝九敗」という本が私は結構好きなのですが(気に入った本を時を置いて読み返すのが私のクセです)、その中に、社員に研修を受けさせるシーンが出てきますが、とても印象に強く残っています。
人材育成コンサルタントが「トップダウンでやるよりも、社員一人一人が考えて実行するが大事だ。上司に言われたことをやるだけではだめ」というセリフに「それは違うでしょう!」とくってかかった、というお話です。これは当時ユニクロがまだ小さな会社で、社員は自分の手足でよく、やろうと決めたらすぐに実行しないとつぶれてしまう、そういう生きるか死ぬかのステージにおいて、ボトムアップや社員の成長を待つ余裕などはない、という考え方です。その後会社が大きくなるに連れて、今のようなワンマンで回していくスタイルだと、やがて間違いなく行き詰まっていくだろう、と、やり方をかえていったお話が書かれています。
私もこの点についてはとても感心したのですが、実態としては私はまるで逆の方針で来ており、「考えて、考えて、考えろ」「単なる手足は不要」というような事をいってきました。なので、逆にこの本を読んで、「あれ、もしかしてワシの遣り方は間違っていたのでは?」と思ったりもしました(笑)。
つまるところ、解はこれだ!というのがある訳ではなくその時の会社のステージ、つまり置かれている状況や規模、スタッフ、クライアント、という事を総合的に判断して、社長が決断しなければならないのだろう、と思っています。
手足でいい、と思えば、担当者の考える力や、モチベーションは下がりますし、かといって、完全に任せてしまうと、クオリティやスピードとして間に合うのか、という課題が出てきます。バランスの中で、しかし、時にはバランスを無視してでも、自社が結果を出すためには、何が最適解なのか、という事を、摩擦を恐れず、シリアスに考えて行かなくてはならないのだろうな、と思います。
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