以前とある同業大手の役員と飲んだときに、ふと当人から
「うちも最近大手企業からの転職者がまま来るんだけど、基本「待ち」なんですよね・・・。仕事は与えてもらうものだ、というのがすり込まれているみたいで。ベンチャーの仕事ってある意味自分で仕事を作ったり、探し出していく要素ってあるじゃないですか。そういう文化が全くないみたいで、でもそんなにかまってるヒマもないし。結果的にうまく回らないんですよね、そういう人って」
みたいな事を言われました。
それを聞いて思わず「あれ、デジャヴ?」と思ってしまったのですが、というのも似たような事をしばしば見聞きするからです。
私なりに少ない経験を元に振り返ってみると、何となくああ、と分かるような気がします。というのも、それなりに歴史のある(特に大)企業だと、既に仕事のフローや土台が出来上がっていて、要はその回転率をいかに上げるかが勝負になります。必然的に関係各所との「調整」といった作業も重要になってきます。安定した土台の上に立って、更にどこまでのばせるかが勝負です。
ところがベンチャー。こちらは字を間違えるとアドベンチャーですから、何しろそんなものは全く(?)ありません。ある意味土台はぐちゃで、仕事のフローもはっきりしていない事が少なくありません。整理整頓、役割分担の整合性より結果を出すのが最優先かつ絶対条件で、「良いものを作る」点において全てが優先(あるいは犠牲に)されていきます。また、いくべきものです。じゃないと生き残れないからです。土台作りも含めて、自らが切り開いて行かなくてはなりません。
こう書くと、なにやらベンチャー企業の分が悪いですが、だから悪い、というのではなく、つまりベンチャーとは元々そういうもので、ヒラも社長も第一線で張り付いて、走りながら、0から自分達の手で「自分達の会社」を作り上げていくものです。これは既に出来上がってしまった会社にはない、「無情の喜び」だと思います。
「おいこら、もう少し整理しろや」「はい・・・」若手に叱責される図
つまり、どちらが良い悪い、という事ではなく、ある程度出来上がってしまった会社と、ベンチャー企業では、そもそも企業としての「土俵」や「求められる要素」が全く異なるのだと思います。
転職の時はそこを意識して探さないと、両者にとって不幸になってしまうと思いますので、これは結構大事な事じゃないかな、と思います。
当社のエンジニアやマネージャには、なぜか前職が初芝電器とか大企業だ、というスタッフが多いのですが(そんな会社ありましたっけ)、幸いな事に皆能動的で、そういう待ちの姿勢は皆無です。とても恵まれてるなぁ、と思っています。
あちらから見ると、「余計な手数かかんなおい」とか思われてるかもしれんが・・・(汗)これからもがんばるから許してね(うふっ)
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