で、前回からの続きです。
実は弊社ではお客さんに、「AとB、どっちがいいでしょうか?選んでください」というのは、もっともやってはいけないタブーの一つになっています。
そしてくだんのタクシーの件は、まさにそれと同じだと気付いたのです。
お客さんは当然専門化された高度な知識や経験を持っていません。持っているなら、最初から携帯サイト、PCサイトを自分で作るはずで、そもそも外部委託するはずがないのです。
お客さんが我々を選ぶ理由とは、我々を良き水先案内人として導いてくれるコンサルティング、知恵袋を含む能力を期待して、です。
弊社の社内では、必ず全員が、大前提として、「私はこれがいいと思います」というべき論をもって業務に当たる、という話をしつこくしています。システムもデザインも同じです。そしてもし構築に際して、お客さんと意見の不一致があれば、どうしてそう思うのか、という理由をきちんと説明すること、つまり説明責任を意識させるようにしてます。
お客さんに「どっちいいすか」と選ばせる、というのは、ある意味プロとしての責任放棄である、という事を徹底させています。勿論現実的には、スタッフによって多少の濃淡、というのは多少はあるかも知れません。しかし、本質的なポリシーとして、これはうちの存在に関わる重大な事だという認識が社内で共有されているのではないかと思っています(理由。そういう事をすると速攻で激しく社内でつっこまれるからです。。。)。
私がタクシーに乗って、運転手さんに「創成川の通りと北光線とどっちいいですかね?」と聞かれ、愛想笑いしつつ(何のため?小市民な私です)「あ、はい、じゃ、創成川沿いにお願いします」と答えながらも、「なんでルートを聞くんだろうか?ついでに言うと、なんでワシは愛想笑いしとるんだろか?」という違和感は、実は私が社内で良く言う、私が一番忌み嫌う事と、本質的に全く同じ話だ、という事に気付いたのです。
コメント