((1)はこちら)それ以来、当然ですが、折口氏との接点は無かったのですが、数年後、なにげに本屋に行ったある日の事、おおっと、懐かしのお写真の張ってあるハードカバーがあるじゃありませんか。
私は普段人の好き嫌いは滅多にないのですが、あの毒目線ビーム攻撃を浴びせた折口氏の書籍か・・・と思いつつ、本を手に取りパラパラとめくると、おや、こりゃ結構おもしろそうだ、と速攻で購入してしまいました。あまり得意ではない相手からも学べるのが私の節操のない、いや、良いところです。
そこには、小さい頃突然父親の会社が倒産し生活保護を受けるハメになった事、進学するお金が無くて、給与の出る自衛隊関係の高校に進学した事、厳しい訓練の合間に受験勉強をして奇跡的に難関の防衛大学に進学出来た事、就職後「ジュリアナ東京」「ヴェルファーレ」で大成功を収めるも、その後二度も仲間に裏切られ、失脚しながらも今の地位を築き上げた事などが書かれていました。
当然ですが、私は折口氏については毒目線ビーム攻撃の事しか知らなかったのですが(しつこい?)、まさに裸一貫、どん底からはい上がってきた、立志伝中の人物だという事をこのとき初めて知りました。
特に私が強く印象に残ったのが、仲間に裏切られ、「ジュリアナ東京」を追われて「ヴェルファーレ」を立ち上げるまでの苦労です。生活費にも事欠く有様だった折口氏は、「性格診断機」なる良くあるワンコインのゲーム機を買い、ゲーセンやゴルフ練習場に置かして貰います。売上の4割を施設側に、6割を自分が受け取る契約で、月に1回、そのゲーム機を車で回って、売上の100円玉をじゃらじゃらと袋に入れて回収をします。借金生活でどん底だった当時、「この100円玉の嬉しい重さは今でも忘れる事が出来ません」、「これまでの人生の中でもっとも濃密で、充実した時代でもありました」と折口氏は当時の事を振り返っています。
結果的に創業から10年で売上1,400億円、東証一部上場という偉業を成し遂げる訳ですが、逆にそこでおごりが産まれてしまい、またそこに至るまでの道のりが裏切りや苦難で満ちあふれるほどに、自分の会社だという固執や猜疑心が産まれ、それが結果的に今日の結果に至ってしまったのかも知れません。
折口氏は報道されている限りでは、自己破産で家も財産も、何もかも失うことになります。果たして「ジュリア東京」や「ヴェルファーレ」の時ように、ワンコインゲームの100円玉から、再び表舞台に戻ってくるチャンスはあるのでしょうか?客観的にはかなり厳しい可能性の様な気がしています。しかし、ちびまる子にはそれ以上はわかりませんし、想像すら出来ません。ただ、世の中は何が起きても不思議ではありません。あらゆる事に可能性がある、と私は思います。
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