仕事の成果とまずしい人間関係

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「仕事上の関係において成果がなければ、穏やかな会話や感情も無意味である。貧しい関係の取り繕いに過ぎない。逆に関係者全員に成果をもたらす関係であれば、失礼な言葉があっても人間関係を壊すことはない」

これは「経営者の条件」というピーター・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)の書いた本に出てくる一節です。私は昔読んだ本をしつこくたまに読み返す傾向があるのですが、この一節は特に気に入っています。全くその通りだと思います。

しかし、他方これを実現するのはなかなか容易な事ではありません。なぜなら人はエモーショナルな動物だからです。つまるところ「言い方」の問題というのが重要になるなといつも思います。しかし、ここで言う「言い方」というのは、単なる表層のプレゼンテーション、テクニック論の事ではありません。

腹の底から確信している時に出てくる、言葉の力強さに裏打ちされてないと、やはりだめなような気がします。何事も本気で言わないと、本気で伝わらないものです。後は受け取る本人が、どこまで素直にそれを認められるか、という事じゃないかと思います。

最近社内で、意図的にスタッフへの指導や注意の仕方を変えるようにしています。実は昔はかなり「配慮」「遠慮」した物言いをしていました。しかし、これだと婉曲すぎる事がままあり、なかなか思っていることがきっちり伝わりにくいという課題がありました。しかし7年、8年、いやもっとかも知れません、長らくこのやり方を変えずにやってきました。

ところが最近、恐らくこの半年くらいだと思うのですが、ちょっとギアを変えて、かなりストレートに、思ったことを伝えるようにしています。「これ何ですか?このクオリティは無いですね」「作業がちょっと雑に過ぎますね」等、以前の比較して、相当ストレートに伝えるようになってきています。

どうしてそういう形に変えつつあるのか、変えようと思ったのかというのは、あまりロジックには自分でも整理しきれてはいないのですが、やはり自社に対する強い危機意識、目的を達成するための強い動機、というものが全面に出てきているのかも知れないなぁ、と思っています。

ただ、単に怒鳴り散らしていても、期待される効果が得られる可能性は薄く、むしろ聞いている方は「田中のヤツ、またはじまったぜ」くらいにしか取られなくなってしまいます。私はメールで注意するときはして、その後更に口頭でも言いたい趣旨わかりましたか?と個別にも更に、可能な限り聞くようにしています。これは同時に自分の頭を良く冷却していないと出来ない事だと思います。また、聞く事自体が冷却的な意味を持っています。自分を引いて見る事はとても大事な事だといつも思っています。

ですが、経営者的には年齢的にも正直なところまだかなりはな垂れ小僧の部類ですから、自分なりのコミュニケーション、指導のスタイルを確立するのは、もう少しの試行錯誤と、スタッフの寛容心に頼らないとならないのかも知れません。(ごめんね。うふっ。甘えちゃうから)

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