くめ納豆が倒産-PB製品を巡るメーカーと流通の綱引き

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ビジネス雑感

実は最近まで全く知らなかったのですが、今年の8月に くめ・クオリティ・プロダクツ株式会社が民事再生法を申請していました。社名よりも「くめ納豆」を作ってる会社、と言った方がいいかも知れません。

実は私は大の納豆好きなので、たまに頂いてました。くめは業界的にも老舗の部類で、規模的にも業界3強に入る規模だそうです。今現在、会社のサイトには自社の説明ページは全て削除されており、「お問い合わせ」をクリックするといきなりミツカンのトップに飛ぶ、というちょっと異色な形になっています。

雑誌などでは、昨今の原料高を商品価格に転嫁出来ず、流通企業のPBブランドの下請け製造に手を出すうちに、利幅が逆ざやになってしまい、しかし契約を辞めると機械の稼働率も売上も減ってしまうため、ニッチもサッチもいかなくなってしまった・・・との書いてありました。今後はミツカンの元で経営再建を目指す事になっています。

PBブランドは高品質・低価格というのが大きな売りですが、PBブランドを作るほど、自社の経営が厳しくなるとするなら、それは多くのメーカーにとっては苦渋の決断、禁断の果実ともいうべきものです。

PB商品という点で言うと、最近もサントリーがイオングループ向けにPBブランドの発泡酒を作ることとなり、業界を驚かせました(公式にはサントリーは「うちのロゴも張ってるし、PB製品ではない」と言い張っています。イオンのトップバリュの紹介サイトにも、確かに掲載されていません)。なぜなら、ビール業界ではPB製品の製造に手を出すのは長年「御法度」だったからです。理由は当然ですが、自社ブランド製品とのカニバリズム(共食い)を引き起こすことを考慮してです。

飲料・食品業界というのは基本的に装置産業で、莫大な設備投資がかかります。当然の事ながら稼働率が下がることは経営の生命線に直結する一大事です。稼動は上げたいが、PBでは利益は極めて低い、メーカーと流通の綱引きは今後も続いていくでしょう。

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