という事で、前回からの続きです。
酒蔵見学が終わって事務所に戻りますと、田中常務さんが利き酒の準備をして待っていらっしゃいました。
事務所には大信州酒造さんのラインナップが飾られています。
そして「普段からそんなに愛飲して頂いているのなら、相当わかっていらっしゃるから、これはもうへたなお酒は出せませんね(笑)」、と、かなり勘違いの買いかぶりをして頂き(汗)、7種類もの日本酒を用意して頂いていました。これがなんと全部純米大吟醸酒とのことで、普段はこういう取りそろえはしないのだそうです。果てしなく嬉しいと共に、ま、まずいぜ、実態はただの飲んべえで、実はあんまり味がわかってない、って事がばれてしまう(汗)。
という事でまずは手前の四つを試飲させていただいたのですが、う、うまい・・・。あまりに簡単なコメントですいません。本当においしいお酒です。しかし、さすがド素人。本当はワインと同じように空気を取り込みながらぴゅりゅりゅりゅと飲み、口の中で味わった後、横にある容器に吐き出すのが普通の利き酒のやり方です(じゃないと酔って味がわからなくなってしまう)。
ところがさすがアラフォーにもなって、モノを知らないというのは悲しい事ですね、「酔っちゃうから一気にいかないとな」と、高速で順番に口をつけていってしまいました(アホ?)。後から田中常務さんの所作を見て、正しいやり方を知りましたが、手遅れなのは言うまでもありません。また恥かいたぜ。
しかし旨い・・・。我々は普段瓶でお酒を買いますので、当たり前ですが、タンクの単位で横串でお酒を比較しながら味わう、という機会がそもそも滅多にありません。利き酒をさせていただいたのは勿論初めてなのですが、やはりタンクというか、醸造したロットによって、こんなに味って違ってくるのか・・・という事を目の当たりにして、正直本当に驚きました。並べると、それぞれの個性がよりはっきりと際立ってきます。
そして実はさらに驚いたことがありました。
続いてこの写真の後ろに写っている3つのお酒を利き酒させて頂いたのでですが、う、うまい、うましゅぎる、いやすぎる(誤変換したがおもしろいのでそのままで)・・・。口に含んだ瞬間、スタッフと思わず顔を見合わせてしまいました。なんじゃこりゃあ、という位旨い。果てしなく旨い。普段ビール党で滅多に日本酒を飲まないスタッフが目を丸くしています。
勿論手前の四つも十分おいしいのですが、なんて言うんでしょうか、とても立体的な奥行きのある味で、次元が違う感じがしました。味音痴の私でも、その違いがはっきりとわかります。そしてこの三つとも、丸みを帯びた味だったり、鋭角的にとがった感じだったり、はっきりと個性があるのです。なのに嫌みなクセではなく、香りが不必要に出しゃばってくる訳でもなく(むしろ抑え気味にしてある)いくらでも呑めてしまう感じです。これはしゅごいです(また誤変換だ)。
すると田中常務が、「実は奥の三つはうちの最高齢の杜氏が造った酒で、今度全国新酒鑑評会に出す予定のお酒なんです。手前の三つはうちの森本や若手が造った酒です」との事でした。この手前の四つだけでもものすごいおいしかったのですが、奥の三つはすごすぎます・・・。生きてて良かったです。
それと、以前大信州さんの梅酒を買ったことがありました。酒屋さんに「大信州さんの梅酒は純米吟醸酒をベースに造っている梅酒だから、本当にこれは旨いよ。うちで一番旨い梅酒だよ」と薦められて買ったのですが、確かにこれがめちゃくちゃ旨く、あっという間に飲んでしまったことがありました。お値段も三千円しません。
これ、ほんと美味しいですよ。女性の方是非どうぞ。
そのお話をしたところ、なんと二種類の梅酒も別に用意して頂いていました。これもまあ、あきれるくらいうまいですわ・・・。
今回の酒蔵見学で思ったのは、業界は全く違えど、誇りを持って仕事をすることの大切さや、高品質のものを造る職人のプライドは、どこも同じであり、それは果てしなく尊い、という事です。
単に小手先のテクニックの話ではありません。良いモノを造りたい、という哲学や価値観が大前提としてあり、それを実現するために、具体的な行動が産まれてくるし、また行動しなければなりません。そして経営として、それを継続的に行う不断の努力が求められる、という事です。
普段、私達は普通に暮らしている中で「商品」という作品を通じて、そういうプロと接しています。しかし、実際にそのような物造りに携わっている人達と、直接接して、お話をさせて頂く機会というのはなかなかありません。そういう意味でも、今回は本当に触発されましたし、良い機会になりました。
私もWeb&モバイルの業界において、誇りを持って、クライアントのためになる良い仕事をしなければならない、その気持ちの大切さを改めて感じると同時に、具体的に行動してこそ意味がある(偉そうに念仏唱えるなら誰でも出来ますよね)、と身が強く引き締まる思いがしました。
実はまだまだ当日お聞きしたい事がたくさんあり、そもそもどうして大信州さんはこのようなハイエンドのお酒造りに特化していこうとしたのか、そのきっかけですとか、より経営的な点でも、いろいろとお話をお聞かせ頂きたかったのですが、瞬く間に時は流れてしまい、打ち合わせに行く時間となりました。最後にハイチーズ。
ろくすっぽ味も常識も知らないのに、ドカドカとおしかけてしまい、利き酒はごくごく飲むわで、今考えると恥ずかしいのもいいところですが、暖かく応対して頂いた田中常務さん、森本係長さんには本当に深く、重ねて御礼申し上げます。また是非機会を見てお伺いしたいと思いますので、その際はかまってやっていただけると幸いです。しかし酒蔵見学って、なんかクセになりそうな・・・
書くと長くなると思ったので、時間が取れす、なかなか書けなかったのですが、やっと一通り書けました。気に入ったら押してやってください→
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