ここのところ、気がついたら、ものすごい勢いで円高が進んでいます。海外旅行に行くのはかなりお得な状態ですが、もともと輸出で成り立っている我が国の経済、多くの企業から見ると、かなりまずい状況と言えるでしょう。
前にこのブログでお話したかも知れませんが(してないかな 汗)、日産の新型マーチは、全てがタイで生産され、それが国内に輸入されてきています。主力の国産車が完全に国外で生産され、国内に逆輸入されるのは、実はこれが初めてです。
日産はこのマーチを世界戦略車としてかつぐつもりで、生産コストが低くくて、かつ高品質のものを作れる場所として、日本ではなくタイを選びました。結果、今回の為替については影響を受けません。今後日本の他の自動車メーカーでも同様の動きが出ると思います。そのうち「逆輸入」などという概念が消えてしまうかも知れません。
このような円高がどんどん進んでいくと、当然ですが、産業空洞化という指摘が出てきます。企業が国外に活路を求め、結果、我々の働く仕事が無くなるわけです。しかし、それは別に企業が悪いわけではありません。企業は自社が生き残る上で、最適な条件を追い求めなければ、結局他社に駆逐されてしまうからです。企業が大きくなればなるほど、競争は世界規模で起きますし、その傾向は益々強くなります。それは一種の宿命といえるでしょう。
弊社が本社のある札幌は、市がコールセンター誘致に熱心で、多くの企業が進出しています。企業側からも、人件費が東京よりも低く、の割には大学等の教育機関が多く人材の質が良い、方言が少なく標準語に近ため、非常に魅力的な土地に見えるようです。
ですが、それも大前提として、国内の流通やサービス、製造業がきちんと成り立っての話しです。そこが廃れてしまってはどうにもなりません。健全なコア産業があってこそ、周辺の高次産業も栄えるのは産業構造の基本でもあります。
このような円高に対し、政府はもっと対策を打つ必要があるのではないでしょうか。高止まりしたままの法人税、収まらない円高、派遣は活用禁止、けれど政府は子育てに現金ばらまきで国の借金は間もなく100兆円、というのは、客観的に言うと、相当まずい状況ではないかと思います(というか、破綻寸前?)。国民の生活が第一、と言っているうちに、結局国や企業が力を失い、国民の生活が滅んでは元も子もありません。経営者は業績の悪さを景気のせいにはできませんが、政治家にはこういう問題をきちんと解決して欲しいと切に願います。と、書きつつ、私はまずは自分の頭の上のハエを追うのが忙しいのですが・・・ガラに似合わずまじめな事かいちまったぜ
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