私は昔、良くスタッフに「プロセスを評価する、なので結果自体はあまり問わない」という様な事を言っていました。失敗する事のリスクを恐れてしまい、プロジェクトに腰が引けてしまうような事があってはまずい、スタッフがまず自由に、のびのびと、一生懸命がんばれる環境を作る事が何よりも大事で、それが結果的にクライアントの利益に結びつくと思っていたからです。
結果を出すために最大限の努力を払うスタッフ。
ですが、ここ3,4年は徐々に考えを変えてきていて、今は結果でのみ評価するように、切り替えてきています。
実は今もプロセスで評価する事もしています。ですが、それはあくまでも結果にこだわったスタッフについて、という趣旨です。最初からプロセスを評価するような事は控えるようにしています。なので、例えばスタッフにしばしば「残念ながら結果を出すことは出来なかったけど、忙しい状況の中、良く手を挙げてチャレンジしてくれましたね」というような事を言います。
どうしてプロセス評価から、結果評価に評価軸を移し出したかというと、企業には、その規模や内容によって、いろんなステージがあると私は思っています。そして、当然そのステージに相応しい評価の仕方というのがあるのではないかと。
昔とは違って、今はおつきあいをさせていただくクライアントや案件の規模は桁違いに大きくなってきていますし、求められるスキル、難易度もどんどん上がりだしています。
そういう状況においては、最初から結果ではなく、プロセスで評価する、というのは、どうしてもそこに「逃げ」の要素の方が強くなってしまう気がするからです。そのような大きな案件に対して、まず大事なのは、会社として、スタッフ一人一人がコミットメントをきちんと果たす、という事が何よりもまず求められるからです。それがクライアントの利益に直結します。
大きな案件ほど難しさや大変さは当然ありますが、それが世の中にリリースされた時の喜びは、とても大きく、やりがいのあるお仕事でもあります。
以前ご紹介した岡田監督のインタビュー記事で、こういう内容がありました。
岡田武史氏が語る、日本代表監督の仕事とは (5/7)
コンサドーレ札幌で監督をしていた時に忘れもしないことがありました。残り時間10分くらいで0対1で負けている時、ベンチの前を通ったサイドバックの奴が、ベンチの僕の顔を見て走っているんです。「何でこいつ見てんのかな?」と思ったのですが、分かったんです。「今、チームは負けていますけど、僕は監督に言われた役割はしっかりやってまっせ」とアピールしているんです。「アホかつうねん。お前がどんだけ役割やっても、チームが負けたら一緒やないか」と怒りが沸いてきました。
弊社のスタッフにこうういうプレイヤーはいませんが、こういうのは、ある意味自分勝手なプロセス評価の弊害、と言えるかも知れません。
着地点は今も昔も変わりません。それは「クライアントの利益に貢献する。しなければ、生き残れないし、会社も、個人も成長出来ない」という事です。
そして今は、結果にこだわり、結果でのみ評価するが、結果にこだわったスタッフのプロセスは、しっかり評価する、というスタンスがとても大事だと思っています。(あ、あんまりこういう事書いて求人申し込み減ってもマジいな・・・楽しい職場ですよん)。
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