「あなた、まさか仕事バカじゃないですよね?」

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ビジネス雑感

その昔、ソニーの出井CEO(当時)がその高いプレゼン能力を全開で発揮しまくっていた頃、一冊の本を出しました。

かなり売れたようで、実は私も一冊買いました。当時ソニーは「デジタル・ドリーム・キッズ」を旗印に、ハードウエアとネットとの融合を急速に進めつつ、同時に日本で初めての執行役員制度トラッキングストックによる資金調達等、次々と革新的な経営手法を展開していました。この本はそんな出井CEOが絶好調の時代に出版された本です。

内容は要約すると、「OFFでの一見仕事とは関係の無い様々な活動が、いつの間にかON(仕事)にも環流し、良い影響を与えるよね」というようなお話です。

生意気ながら、私も基本同感で、私自信は「ONとかOFFをどう切り分けてますか」、と言われると、おそらく「そもそもそういう境界線を考えて暮らしてはいないので、何とも答えにくい」という事になるかと思います。

そもそも私は自分の好きな分野で会社を興してやってきましたので、とりあえずではありますが、それでおまんま(死語?)が(まがりなりにも)食えていること自体はとても恵まれているなと思っています。私はこの仕事が大好きで仕方がありません。

で、雑誌を読んでいても、テレビを見ていても、美術館に行っても、公園を散歩そしていても、いろんな事を考えますし、浮かびます。例えば地下鉄でチラシを見たときに、自分がこれの広告主だったら、こんな広告打つだろうか?これで本当に人が集まるのかな?自分だったらもっと別の角度からこういう内容にするな、とか、いろいろと頭の中で遊んだりします。それ自体が結構楽しかったりします。そういう事が結果的に、仕事にもフィードバックされていきます。

最初から仕事のために雑誌を読んでいる訳ではありませんし、仕事のために公園を散歩する訳でもありません。私にとってはONとOFFは全ては自然に「地続き」な事です。

結局のところ、知的好奇心や向学心にあふれ、感度を高くアンテナを張る心には、そもそもOFF、お休みなどという概念は無いと思いますし、結局そういう姿勢が、人生を豊かにする上でも、仕事を行う上でも、重要な財産になってくる気がしています。

勿論誤解して頂きたくないのですが、「休みの日まで仕事のことを考えて暮らしなさい」などという気は毛頭ありません。過ごし方は人それぞれです。私も趣味にいそしんだりしますし、やはり息抜き、頭をリセットするという事も、ものすごい大事なことです。特に私もだんだん若くない世代になってきたので、最近はその重要性を痛感するようになりました。

「ONとOFFをどう切り分けていますか?」という質問の本質には、多少誤解をまねく表現かもしれませんが「仕事はあくまでも生活の糧を得るだけの単なる無味乾燥な作業、プライベートが何よりも大事。だから、完全に切り離す事が大事だし、スマートだよね。あんたまさか、つまんない仕事バカじゃないよね?」的な西洋的な価値観を前提とした「押しつけ」が暗に含まれてるような気がするのです。

勿論ONOFF二元論は絶対にダメ、みたいな事を言うつもりもありません。ですが、仕事とプライベート、という単純な二元論ばかり見ていると、結局自分の人生をより楽しく豊かにするチャンスや、成長機会を失ってしまうように私は感じます(あ、なんかまじめな話で終わってしもた。またオチなしだ・・・痛恨。。。)

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