最近ニュースで、三菱電機の防衛宇宙部門が、数百億円にも渡って過剰な請求を防衛省にしてきた、と言う問題が報道されています。
- 三菱電機が防衛省へ、40年近くも過大請求 | 企業 | 東洋経済オンライン
三菱電機は12月21日、防衛装備品などの過大請求問題で、防衛省やJAXA(宇宙航空研究開発機構)などへの返納金、違約金、延滞利息の合計が773億円になると発表した。
ほとんどの報道は「三菱電機けしからん!ぷんぷん」という形で、事象としてはそこだけ見ると反論の余地も無く、まさにその通りだと思うのですが、私はニュースを読むとき、当事者の視点で、そもそもどうしてそんな事をしたのか?と言うことをしばしば考えます。
すると、以下のような報道を見かけました。
- 防衛省、制度見直し検討 装備品契約、法令順守機能せず(日経新聞)
2012/12/22付
防衛分野は最先端技術が多く、仕様変更が契約後に発生することもある。開発に手間取れば、原価が見積もりを上回りかねない。コストが見積もりを上回った場合は防衛省は追加コストに相当する額を支払わないが、企業努力などで下回った場合は返還を求める。
これはすごい制度ですね。。。つまり元々発注の仕組み事態が、受注社の企業努力に対する配慮が皆無で、リスクだけを背負わせ、徹底的に発注者側に都合の良い形になっていた事がわかります。これがこの事件の一因になっていたのではないでしょうか。
「防衛省は「会計学的に不公平な契約だと指摘を受けている」と認め、追加経費の面倒をみることなどを検討する」(同紙)との事ですが、これ一般企業間の取引では考えられない事だと思います。
コストを削減するのは受注した企業の努力の成果であって、発注者側の成果ではありません。防衛事業事態が一般の企業取引間とは言えない、といってしまえばそれまでかも知れませんが、企業の活力をそぐような制度は、結果的には誰にとっても得をしないのでは?と思うのですが、皆さんはいかがお考えでしょう。
コメント