自宅の近所に、セルフ式のガソリンスタンドがあります。
そのガソリンスタンドが先日、
「大きな会社と合併して生まれ変わりますんで、給油方式もちょっと変わるんでそこんとこヨロシコ」
というアナウンスを流しまして、新たに生まれ変わりました。
それまでそのスタンドは、給油した後、出てきたレシートを持って、なぜか店内のレジに行き、そこで店員にレシートを渡し、お金を支払う、という謎のシステムになっていました。
いわば半自動、半セルフススタンドです。
クレジットカードで払うときも、給油機のところでカードを読み取る、のに、結局そこでプリントされたレシートを持ってやはり店内レジに移動し、そこで更に店員がレシートのバーコードを読み取って領収レシートをよこす、という謎の二度手間システムです。
このような中途半端な半自動では、恐らくコストは普通のスタンドとほとんど変わらないと思います。これでは一体何のためのセルフなのか、全く意味が無いのでは・・・?
半ばあきれつつも、近所にあってそこそこですが安いこともあり(こんなに手間がかかるので当然そこそこの安さどまりです)、ずっとそこでガソリンを入れていました。
ところが、そのスタンドが生まれ変わった後、おおなんとついに、システムも入れ替わり、店内に行かなくても済むようになったのです。
そうか、これでいちいちレジ行かなくて済むぞ、給油機の所で全部済む。便利になったな。
しかし、そうやってると、ある事に気づきました。
そう、スタンドのスタッフと話をする機会が、完全に無くなってしまったのです。
勿論私からいちいち店員に話しかけていた訳ではないのですが、キャンペーンでクーポンをもらったり、ティッシュをもらったり、洗車の話をしたり、季節の変わり目にはタイや交換をしてもらったりと、実は私はそこで結構ガソリン代以外にもお金を落としていました。
そして、そのスタンドにはもう一つ大きな特徴がありました。
それはレジにいる女性がどういう訳か皆やたらと美人揃いだという事です。
社長の趣味なのか?と思ってしまうくらい、不自然に女性は皆美人揃いでした。おかげで戦士が翼を休める一瞬の宿り木としてもとてもありがたい場所だった訳です(戦士って誰が?)
しかし、支払いがあらよと自己完結するようになってからは、全く余計な会話も無く、美人のお姉さんとも全く会わなくなりました。当然「余計なお金」も使いません。残念でなりません。もう美人のお姉さんには二度と会えないのです。私達の仲は、完全自動化という時代の荒波によって引き裂かれてしまいました。
お姉さんの話はともかく、結局スタンスドは純然たるガソリンを入れるところ、になってしまった訳ですが、そうか、今までは利用者から見たらちょっと不便だな、と思っていても、スタンドから見たら「その他の売上」を生み出す重要な役割もあったのだなぁ、と気づいた訳です。
そして結局このスタンドは、合併したことによって、「余計な商売」は一切やめて、美人のお姉さんも絶ち、ひたすらガソリンだけを売る事に特化したわけです。
会社で言うと、そんなに売上があるわけじゃ無いけど、そこそこ小銭を稼いでいた商品を全部やめてしまい、ひたすら主力商品の一本足打法で、最大限効率良く売る、というモデルに特化したわけです。いわば選択と集中ですね。
一本足打法になるということは、それだけ大量に売らなければ勝算が見えてきませんし、量をさばくためには何よりも安さが重要です。余計な事をしなければ、それだけコストも下がります。
確かに、合併前と比べて、ガソリン代は少し下がり、最近はずっとリッター120円台をぎりぎり維持しています。
「余計な商売」をしなくなり、一本足打法に特化したこのガソリンスタンドが今後どうなるのか、常連の一人として、生暖かく見守って行きたいと思います。
さよなら美人のお姉さん。メタボ中年より。。。気に入ったらポチっと御願いします→
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