クリエイティビティと管理能力は共存しうるか-天才と天災は紙一重

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今まで20年近く会社をやっていますと、当然ですが、様々なスタッフを面接し、採用し、一緒に働く事になります。

弊社の様な一応小さい規模ながらも東証一部上場から地方の3人でやっている産直のネットショップまで、様々なお客様とお仕事をさせていただいていると、当然要求される技術的能力、コミュニケーション能力は多岐に渡り、脳みそをフル回転させないとなりません。

そうやって一緒に働いていると、当然ではありますが、社長というのは本来は人を見つめてマネジメントするのが主な職種であるがゆえ、スタッフの人となり、特徴、価値観、主義主張性癖(はないか)、傾向といったものがぼんやり見えてきます。

企業にとって有益な人材、という視点で見ると、人材は概ね以下の二つの視点で見ると、ある一定の傾向がある事に気付きました。

1 管理能力

2 創造力

ほとんどの人材は、大体この二つのうちのどちらかに重心があります。そしてどちらかに偏ればよるほど、もう一つが欠落する傾向が高い事に気付きました。

例えば世間的によく知られている事例としては、チームラボの猪子社長が代表例でしょう。クライアントとの打ち合わせや、NHKの取材に寝坊で遅刻など、彼の武勇伝?は業界ではよく知られています。

こちらの記事にも遅刻の話が書かれており「時間と言う概念は絶対的なものではない」と一席ぶっている訳ですが、巻き込まれる周りの人は良いハタ迷惑ですが、これもここまで天才だと許される範囲なのかもしれない、と思ってしまうところが猪子社長のすごいところです。まさに天才と天災は紙一重です。

かく言う弊社の某取締役も、技術的な能力、提案力は弊社の規模にはもったいない位、ずば抜けて高く、解決出来なかった問題を思い出す事が難しい位で、私もそこに置いては全幅信頼を置いており、この20年近く一緒にやっております。

が、他方、一部のお取引先はご存じの通り、地図が読めず、最初に往訪する顧客の所には高確率で遅刻するという傾向があり、寝過ごしての遅刻では無い分猪子さんよりまだマシですが、顧客から見れば遅刻はどこまで行ってもただの遅刻に過ぎません。私としては毎回はらわた煮えくりかえりつつ、出来るだけ待ち合わせ時間を早めに伝えたりと工夫に余念がありません。

これらは2の創造力に著しく偏ったケースですが、当然その逆もあります。というより、ほとんどの世の中の人は、私と同じく1に偏っているケースでしょう(社内的には中途半端な2じゃないかとつっこまれていますが)。

この手の人材の特徴はそこそこ、あるいはきちんと、コンスタントに仕事を運べるので、安定性、信頼性が大変高いという事です。安定性は仕事において極めて重要な要素です。

そしてその裏返しとして、創造力は同じレベルにはないため、そこは正直な所、あまり期待出来ません。言い方を変えるとするなら、期待してもいいと思いますが、アテにはしない事が登用において重要だと思います。

2の創造力に偏っている人材も、管理能力に期待はしてもいいと思うのですが(どんな事にでも可能性はありますので)、もしそれをアテにしていたら、それはやはり経営者失格と言えるでしょう。なぜなら高確率で無理だからです。経営は宝くじが当たる前提で考えてはいけません(と、自戒も込めて書いています)。

勿論中には両方とも極めて高いレベルで兼ね備えた人材もいるとは思いますが、ほとんど見たことがありません。恐らくそういう人達はまさに世の中の誰もが知っているような経営者なのかも知れません。

企業経営もサッカーも野球も結局は「団体競技」です。チームとして成し遂げたい成果を実現するために、チームで一緒に働く人の傾向を良く見て、お互い無いモノを補完し合い、組み合わせて活用していくことが、とても重要なように思います。


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