昨今、ダスキンが「秋のお掃除キャンペーン」を絶賛実施中です。
TV CFを見た瞬間、私は「ははぁ、なるほど、やるな」と膝をたたいてしまいました、なんて古い表現ですね。
日本人の習慣として、年末は大掃除をする、というのはDNAに刻まれた一大イベントです
どんな産業でもそうですが、こういう需要が極めて高まる時期、の直前というのは「買い控え」ともいうべき時期にあたり、一時的に平時より需要が下ります。
その分年末に爆発的に需要が起こるので良いではないか、という意見もあるかもしれませんが、これはサービス業の場合は「嬉しい悲鳴」から嬉しいが削られた状態になります。
どんな産業でもそうですが、混雑時のピークに合わせた設備投資をすると、その会社はほぼ100%つぶれます。ピークなどは一年の中では圧倒的にわずかな時間しかないためです。
このために「雇用の調整弁」たるパートタイムの方が企業としては大助かりなのですが、昨今の人手不足感の中では、職種や契約内容を問わず、採用するということ自体がそもそもオオゴトです。特に掃除系のお仕事は大変でしょうから、ダスキンはおそらくかなり苦労しているのではないかと思います。きつくて大変、という意味では同じカテゴリに入ってくるヤクルトさんもヤクルトレディーの確保にCM流しまくっています。
- ヤクルトさんのお仕事見学キャンペーン(ヤクルトレディの採用広告用のランディングページ)
- ヤクルトレディになろう! | 全国のお問い合わせはこちら(ヤクルトレディの採用ポータルサイト。上記のランディングページからこちらにリンクを張っている)
もっともヤクルトさんの営業利益率は半端なく高く、以前大蔵省出身の天下りなスカポン副社長がデリバティブで1,000億円超える大赤字!を出しても、びくともしませんでしたから、財務体質の強さは折り紙付きであり、湯水のように採用広告を打てるという点では、ちょっと他の企業とはやや趣が異なるかもしれません。ちなみにこのスカポン元副社長は記事の通り個人で67億円の損害支払い判決が確定し、珍しく正義が勝つ?裁判となりました。
で、話を戻しますが、採用がうまくいかないのであれば、現実的に後出来ることといえば、少しでも需要期のピークを人為的に下げて、他の時期にずらさせることくらいしかありません。
ピークの山が少し隣に移るだけでも、採用のプレッシャーが減るのは勿論、人や設備にかかる負荷もかなり削減でき、機会ロスも防げます。企業にとっては相当ありがたいはずです。
今ダスキンがやっているこの「秋のお掃除キャンペーン」には、おそらくそういう需要の前倒しによるピークの平準化、という意図が込められているはずです。
これは別にダスキンに限った話ではなく、ECサイトの運営であったり、いろんな業種、業界にて使える手法だと思います。
需要期はずらすことが出来ないし、押し寄せる津波を受け止める以外にない、と言わずに、いろいろと考えてみましょう。例えば事前予約受付による需要量の精度を上げる、あるいはポイント付与や顧客の意識を変える訴求によって需要期そのものをずらさせる、必ず何か手があるはずです。
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