先日、神戸製鋼(KOBELCO)に関して、こういうエントリを書きました。
そのエントリでは詳しく掘りませんでしたが、実はこの事件(って書いちゃいますが)は、日本企業に共通する、別の問題を浮かび上がらせているように思います。
今回検査データを改ざんした神戸製鋼(KOBELCO)の行為は絶対に許されない行為なのは言うまでもありません。しかし他方、この不正、どうやら10年近く組織犯罪のように続いていたとのことで、注目すべきは、その間、品質偽装が原因と思われる事故が-今時点では、ではありますが-全く起きていない、という事です。
数日前には、H2Aロケットにもその不正データの鋼材が使われていると発覚しましたが、問題ないという判断で打ち上げています。勿論大成功で、これでH2Aロケットは27回連続の打ち上げ成功です。
- H2Aロケットの部品にも 神戸製鋼のデータ改ざん | NHKニュース
大手鉄鋼メーカーの神戸製鋼所がアルミ製品や銅製品の一部で強度などのデータを改ざんしていた問題で、10日に打ち上げが行われたH2Aロケットの36号機にも、出荷した製品が部品として使われていたことがわかりました。ロケットを製造した三菱重工業では安全性などを確認したうえで打ち上げを行い、成功しています。
さて、こうなってくると、察しの言い方はすぐにピンとくると思うのですが、
「品質に問題がないのなら、そもそも今の品質基準自体が実は過剰なんじゃないの?」
という事です。
日本は以前はアジアの先生でしたが、もはや過去形に近く、GDPの絶対値では上かも知れませんが、成長率を見ると完全にアジア各国の後塵を拝しており、勢いでは完全に負けています。
そういう状況の変化の中で、かつての日本品質は商品の優秀さの象徴でしたが、今は過剰品質でむしろ無駄な事をやっている、という評価に変わりつつあります。品質はそこそこで、コストや価格をもっと強く抑えたモノが市場を制する。完全にゲームのルールは変わりつつあるのではないでしょうか。
勿論何でも感でも手を抜いて良いというわけでもなく、生命や財産に関わるようなものについては厳格な品質基準が必要なのは言うまでもありません。
しかし我々日本人はあらゆるジャンルで、しばしば「やりすぎてしまう」嫌いがあり、世界規模でルールが劇的に変わりつつある昨今、それはむしろ足かせになってしまう可能性があります。
今回の神戸製鋼(KOBELCO)の件は、「過剰品質のもたらす弊害」について、改めて良く考える機会ではないかと思います。
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