全身絵人間おじいちゃんとの遭遇

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ビジネス雑感
ココログのエディタがどかんとリニューアルされてしまい、使い勝手が良くなったのか悪くなったのか微妙な今日この頃です。
さて、実は先日、大分出張があったのですが、札幌に帰る朝、別府の温泉に入って帰る事にしました。別府の温泉というと、こんな感じのところですね。大分への出張は良くあるのですが、実は別府の温泉は入った事がありません。というか、いつも仕事がタイトなため、悲しいかなほとんどとんぼ返りで観光らしい事をしたことがありません。まあ観光で来ている訳じゃないので当たり前ですが。。汗
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その日も何しろ午後の便で福岡空港から札幌に戻らねばならず、カラスの行水的な時間しかありません。別府までは車で30分くらいのところにあります。朝イチで太田市内のホテルを出て別府を目指しました。
温泉沢山あるんだから、どっか適当に入れるだろう、と油断して十分に下調べを詳しくしてなかった事もあり、あちこち膝小僧ぶつけながら(別府は日帰り入浴お断りのホテルが意外と多い)、どうにか入れるところを見つけました。
タオルを持っていなかったので受付で購入し(これも温泉を探すのが余計難儀した理由の一つ)、すぐに衣服を脱いで入ると目の前に大きな「熱いお湯」と「普通のお湯」という二つの大きな湯船がありました。
しかし、実は急いでいたのでそのことに最初気づかず、体を流すとそのままカラスは手前の「熱いお湯」に入りました。
あああ熱い(当たり前だよ)。
こんなお湯みんな普段から入ってるの?
ここで初めて2種類の温度がある事に気づきました。
こりゃ無理だとすぐ上がり、となりの普通のお湯に移ります。
そのとき、私はちょっと嫌な予感がしていました。

案の定、こちらもちょっと熱いですが、我慢できない温度ではありません。しかし、すぐに体をざぶんと入れるには少しだけ躊躇する温度です。

実は何が嫌な予感かというと、それはもう15年以上前に入った羅臼の天然露天風呂「熊の湯」でのとある出来事がすぐに頭に浮かんだためです。
そこは年中多くの観光客が、というか、ほぼ観光客しか訪れない露天風呂なのですが、もう本当にシャレにならないくらいとにかくお湯が熱い温泉で、川の水を引く蛇口が浴槽にちゃんとついています。
しかし、そこの管理を当時していた地元のおじいちゃんが(今もいるのかな?)とてつもなく頑固者で、「風呂は熱いのが当たり前だ」と断固として水を入れるのを禁止し、ちょっとでも水を入れようとしようものなら大声で注意していました。「ワシの目の黒いうちは水は一滴もいれさせねえ」的な姿勢で常にガン見監視体制をとっており、とにかく熱いお湯のまま入れと強要していたのです。中には東京から来た親子連れがおり、小さな子供が入れないと泣いているのを「熱いのが当たり前だべガハハ」と笑いながら断じて水を入れさせず、泣きべそをかいて結局湯船に入れずお父さんと帰っていく姿を見て、きっと羅臼のイメージも悪くなったろうし、二度と来たいと思わないだろうなと悲しい気持ちになりました。とんでもない逆観光大使です。それ以来私は「熊の湯」には行っていません(あの意地悪なおっちゃん今はさすがにいないのかなぁ)。
という事が過去軽いトラウマであっため、田舎の天然温泉→高温→意地悪じじいが水投入断固拒否且つ高温強要、という極めてよろしくない図式が私の脳内で出来上がってしまっていたのです。
当方ここ数年、年に4,5回は大分に出張で来ていますが、とは言っても別府もこの温泉も全く来たことがなく、完全にアウェー状態です。周りを見渡すと、数名のおじいちゃんが入っており、状況的にもほぼ100%ジモティ御用達のご様子。水を入れる蛇口は当然ついています。
うーむ、我慢できない湯温でもないが、さてどうしたものか・・・としばし思案していると、根性無しが顔に出ていたのか、おもむろに反対側で湯船につかっていたおじいちゃんがふいに声をかけてくるではありませんか。
「おい兄ちゃん、あんた熱いんだったら、ほれ、そこの蛇口水出るから、それで埋めな」
ネ申は別府の湯船にいた!
しかもお兄ちゃん!?(自慢じゃないですがもう結構いいトシになりました)
なんと心優しいおじいちゃんではありませんか。
どこの馬の骨とも分からない、チン入者である見事なメタボ中年のヨソ者の私に対して、なんと別府の皆さんは優しいのでしょう。どっかのお湯とは大違いです(根に持つ性格?)。
しかしこうなるとあまのじゃくの私は、いかんこれでは熱い湯を楽しんでいる地元の人に失礼になる!しかも段々体も慣れてきたし、熊の湯ほどの熱さでもないぞ「ありがとうございます。大丈夫です」と言うと、そのままゆっくりと湯船につかりました。
きもちいー。
極楽です。
おじちゃんのおかげで気分も大変宜しいです。
しかし、飛行機の時間が迫ってるため、カラスにそれほど時間はありません。
ちゃっちゃっと上がって、脱衣場へ出て行こうとした時、ああ、そうだ、あのおじいちゃんに一言お礼を・・・と思ってその方向に振り向いたとき、なんということでしょう。湯気の向こうに見えるそのおじいちゃんは、私の人生で見た事が無い位綺麗な全身絵人間の方だったのです。おおおおおおおじいちゃんあなたそっちのギョーカイの方でしたか!
風呂場は大きく、微妙に距離があったこともあり、結局そのままこれといった挨拶も出来ずに上がってしまいました。
しかし、普通入れ墨は入浴禁止ではないのかな?しかもここは公設の浴場だし、と思って入浴のルールを見てみると、確かに「風紀を乱し、公序良俗にそぐわないと判断した場合はご入浴頂けない場合があります」と書いてあり、「入れ墨入浴禁止」とは書いてありません。なるほど、これならセーフです。
そして先日、偶然このニュースを見て、ああなるほどと思いました。
  • タトゥーも入浴可、温泉地図公開 ラグビーW杯控え、大分・別府 | 共同通信
    2019年ラグビーワールドカップ(W杯)開催地の一つである大分県で、多くの外国人観光客の訪問が見込まれる全国有数の温泉地・別府市は、タトゥー(入れ墨)があっても入浴が可能な市内100施設を示す地図を作成し、インターネットで公開を始めた。
     大分で試合をするニュージーランドなど、海外ではタトゥーが伝統文化に根ざしている場合もある。日本では入浴禁止も多く、担当者は「わざわざ来て、がっかりさせたくない」と話している。
温泉街はそもそも歴史的にそっちの方との関わり合いが深そうですし、現代においてもそれなりに共存する知恵の一つなのでしょう。こういう事に対して「入れ墨で公衆浴場に入れるのはケシカラン」などとしたり顔でぬかすヤツ(特に外のヤツね)もいるかも知れません。しかし、私は全然OKだと思いますし、むしろこういう「らしさ」をいつまでも大事にして欲しいなと思います。
ということで、読んでないと思うけど、絵人間おじいちゃん、その節は大変ありがとうございました。カラスより。
えー、今回は諸般の事情で写真が少なくなっております。勇気が無くて大変申し訳ありません(頼むつもりだったのか?)
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