先日の名古屋出張中の際、少し時間が空きそうだったので、カフェで仕事・・・しないとならなかったのですが、あまり来る機会がないところでもあり、どっかええとこないなかとここぞとばかり美術館を検索しました。勿論名古屋の立ち食いそば屋の聖地巡礼の後です。
名古屋はあまりアート熱の高い土地柄という印象がないので、どうかな、、、と思ったら、ら、おっと、ちょうどいいのがあるじゃありませんか。
吉野石膏というのは耐火建材において国内シェアナンバーワンの会社です。僕の子供の頃はしょっちゅうこういう「炎も熱もシャットアウト~♪」というCMが流れていました。40代以上の方は結構ご存じかと思います。
で、この吉野石膏の創業家が1970年代から少しずつコレクションしたのがこの吉野石膏コレクションです。主に印象派を中心あつめられており、前後の時代、フォービズム(野獣派)等を網羅しています。国内のアートコレクションの中では歴史の浅い部類ですが、内容の充実度は半端ないです。日本を代表するフランス近代美術のコンレクションといっても過言ではないでしょう。現在その多くは山形美術館に寄託されています。吉野石膏コレクションは勿論日本画も集めています。
こういうお金の使い方は最高ですね。これはまさに世界に誇れるクオリティです。これなら稼いだ甲斐があったというものです(誰目線?)。それで、実は私は日本では大人気の印象派は正直あまり好きな部類ではありませんでした。モネ、マネ、ドガ、シャガール、ルノワール、カサット、マティス、ゴッホ、ヴラマンク、シャガール・・・。
なんていうんでしょう、簡単にいうと「印象派ミーハーすぎね?」という食わず嫌い王だったワケです。すいません、へそ曲がりで。
大体フランス産だというだけで大した質でもないワインでも結構な値段で売られていたりします。まさにおフランスプレミアム、おフランス信仰、おフランスバンザイ。おフランスなんだかチャラいよね、「勝手にしやがれ」だよね、とか密かに思っておりました(一応言っときますけどジュリーの方じゃ無くてジャン・リュック・ゴダールとかけました。念のため)。
あくまで私のホームは江戸中期の伊藤若冲、円山応挙、鈴木其一、奇想の系譜の皆さんです。私の伊藤若冲愛はこちらをご覧ください。昔はギリまだこの頃は牧歌的な空気が少しはありました。ところが特に2010年以降、アウトサイダーで傍流、価値の低いと言われたこれらのアーティスト達も、ここ数年は傍流どころか日本アートのメインストリーム、集客のテッパンアイテムと化してしまいました。展覧会が開かれれば人だらけで、行列が30年待ちと言うSF級のバカ騒ぎです。伊藤若冲の魅力をより多くの人に理解してもらい嬉しい反面、最近ちょっとさみしいというか、「ちぇっ」というか、なんか面倒くせえなというか、まあ、とにかくそんな気持ちです(どういうこと)。
ということで、要約しますととにかく態度は偉そうですが、正直まともに生で印象派を見た事が無かったわけです。
普段は吉野石膏の創業の地、山形美術館に帰宅されている珠玉のコレクションが初めて名古屋を皮切りに国内を巡回するとのことで、まあ、ちょうどいいかなと思って見に行きました。
名古屋市立美術館です。当然来るのは初めてです。
ドガ(Edgar Degas)の踊り子達(ピンクと緑)パステル/紙 1894年の作品をポスターに使われています。
こちらはルノワールの絵画。
ということで、結論からいうと完膚なきまでにやられました。すいません、これはやばいです。一泊二日の出張なのに二回も見に行ってしまいました。なぜ今まで食わず嫌い王だったのか。オロカな王は心の底から深く反省して、全裸から服を着ることにしました。
もう圧巻の一言です。
図録
メアリー・カサット
クロード・モネ「サンジェルマンの森の中で」(1882年)
「ゆるやかな変奏曲」ヴァシリー・カンディンスキー(1866-1944)
シャガール
シャガール(不慮の病気で亡くした妻との邂逅。私の大好きな一枚です)。
ピエール=オーギュスト・ルノワール「庭で犬を膝に抱いて読書する少女」(1974年)
生はやっぱりすごいです。図録の写メでは全然伝わりません。
いやー、堪能しました。印象派素晴らしいです(今頃?)
今後の吉野石膏コレクションの巡回予定は以下の通りとなっているそうです。
11月には東京に来るとのことで(三菱一号美術館はこじんまりとしていながら格式と歴史が有り、とても雰囲気の良いところですよね)、その時、まだ是非行きたいと思っています。
あ、採用御応募頂きありがとうございます。ちょっと思いの他御応募頂きまして、追いついていませんが、順次御連絡を差し上げます。もう少しお時間下さい。
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