以前から度々書いていますが、僕は伊藤若冲の大ファンで、ナッツであり、フリークであり、マニアです(という程世の諸兄の皆さんと比べると実は詳しくもありませんが。。)。
最近は美術館に行けないので、図録を見て楽しんでいます。
で、昨今の新型コロナウイルスの件でこの襖絵(ふすまえ)の事を思い出しました。
京都を襲った天明の大火から2年後の1790年、家屋財産を全て失った伊藤若冲は大阪に身を寄せていました。そこでお世話になった人物に依頼され、西福寺のために襖絵を制作します。その一つがこの「蓮地図」。
あまりにも異例な絵です。普通お寺に寄進する絵は、華やかなものを描きます。このような貧相でみすぼらしく、茎はしおれ、虫食いの穴だらけの葉が描かれることはあり得ません。しかし、よく見ると、すぐそばには蓮の新芽が・・・。すっと背を伸ばしている蓮のつぼみ。
天明の大火で全てを失った多くの市民に「負けるな、頑張れ!必ず我々は再生する」という強いメッセージだったのだと思います。230年前に描かれた作家の絵が、今再び僕たちを励ましています。
この絵は西福寺では通常非公開ですが、年に一度、毎年11月3日、9時~16時頃まで、虫干しとして無料公開されます。今年は是非行けるといいのですが・・。
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