実に味わい深いレポートですね。。
IT(に限らず)プロジェクトって結局両者で良いモノを作ろうね、という姿勢が無いと、「俺は発注者側なんだ偉いんだ」という発想でこられると(聞かれれば違うとほとんどの人がいいますが、姿勢が透けて見える担当者もいます)、ほとんどの場合上手くいかないです。結局誰も得をしない事になってしまいます。これは引き受ける側も同様。「やってやってるんだ」「無茶いうな」という前に、寄り添って何とかしてあげよう、という姿勢がまず重要です。
どっちかの担当が「電波」だったりする場合もありますので、勿論それでもどうしようもない場合もありますが、まずは「姿勢」が全ての前提条件です(まあたいていの場合、受注者側の腰が低いのが普通ですが・・・)。
記事を見ただけですと、誰がどう見ても「無理ないな」という内容です。事が大きくなる前に止める人はいなかったのでしょうか?お話が大きくなると、いろんな意味で動きが政治的になってしまいがちですが。。
野村証券のユーザー部門と情報システム部門は難しい関係にあり、情報システム部門は対応に苦慮していたことがうかがわれる。
システム開発を巡る訴訟に詳しいアドバンスト・ビジネス創造協会(ABC協会)の細川泰秀副会長は、「強い発言力を持つユーザー部門の担当者がプロジェクトをかき回すケースは非常に多い」と話す。ベンダーは「追加要件が出たら費用が発生する旨を伝え、身をていしてブロックする努力が求められる」(同)。
野村側の断続的な変更要求に対し、日本IBMの担当者がどこまで止める努力をしていたのか詳細は明らかになっていない。ただ判決文によれば、日本IBMがプロジェクト途中で野村証券に仕様凍結を求め、それでも変更要求を続けた野村側の対応を東京高裁は問題視したようだ。
裁判では複数の証人が出廷したが、当のX氏は出廷せず、同氏の肉声が法廷で聞かれることはなかった。日経クロステックの取材によると、X氏はすでに野村証券に在籍していないことが分かっている。退職理由について野村HD広報に問い合わせたところ、「個人情報に関わることであり、回答はできない」とした。
野村HDは現在、最高裁に上告を申請中だ。期限までに上告の「理由書」を提出し、それを基に最高裁が上告を受理するか判断する。ただ一般にこの結論が出るまで数年かかり、「システム裁判で最高裁が上告を受理するケースはほぼない」(識者)とされる。
だが、概要設計フェーズの開始直後から暗雲が漂い始める。要件定義書にない追加要件が野村証券から多発したのだ。
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