ルールを疑う者が価値を作る時代ー三菱電機の不祥事に思う

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ルールを疑う者が価値を作る時代ー三菱電機の不祥事に思う 経営・ビジネス

三菱電機がやらかしてしまった件ですが、三菱は元々この手の不祥事・隠蔽が多く、不祥事のデパートと揶揄されているくらいで、また三菱グループ全体としても非常に多い印象です。

元々三井グループの人の三井、に対して、三菱は組織の三菱、と言われてますので、企業文化としてはより根深いものがあります。

  • 三菱電機、やまぬ不正検査 株主「不祥事のデパート」 | 毎日新聞
     三菱電機で発覚した鉄道車両向け空調機器の検査不正問題。同社は「安全性に問題はない」とするが、30日には鉄道車両のドアの開閉やブレーキの操作に使う製品の一部でも不正な検査を行っていたと新たに明らかにした。長年にわたって検査を軽んじてきたうえに、問題発覚後も説明を尽くさない三菱電機。事態が車両の安全に関わる問題にまで発展しつつある中、同社の信頼は失われる一方だ。同社は、他社の不適切な品質管理問題を受け、2016~17年度に社内で点検を実施。しかし、対象範囲が狭く不徹底に終わり、その後の18年12月に子会社が製造した253種のゴム製品について決められた品質検査を実施せずに出荷していたことが判明して、ようやく国内の全事業所と子会社を対象にした再点検に着手した。

しかしながら、私がここで言いたいのは「三菱電機ケシカラン!キー!」ではありません。その辺の話は全国紙やテレビ局、東洋経済オンラインとかに任せます。

私はこの手の不正検査のニュースで「安全性に問題無い」を見るたびに、実は今の日本が抱える別の、重大な問題を感じます。

それは検査基準・結果を何十年間も不正にねつ造しても問題が無かったのなら実はその品質基準はそもそも過剰だったのではないか?ということです。

繰り返しになりなすが、決して三菱電機の不正行為を弁護する趣旨で言うわけではありません。

しかし、現代社会において、付加価値を生む出す第一歩は、「まず、ルールを疑え」です。これは高度経済成長期の「黙ってルールの通りやれや」でやってればガンガン成長した時代とは違う、解のない時代に求められる第一の視点です。

ゲームチェンジャーこそが富を生み出す鍵であり、そのため求められるのは「さあ皆さん!決められたルールをしっかり守りましょうね!」ではなく「そもそもそのルール、なんかおかしくね?」なのです。

おそらくですが、三菱電機の場合はインフラ系が多く、業界的にルールを変更するのに膨大なコストがかかり、それであるが故に柔軟な意思決定に欠けた、硬直性の高い業界であるが故に現場で対症療法的にやっちゃった、ということなのではないかと思っています。

しかし、このような意思決定の硬直性がコスト高につながり、日本の「優秀な」新幹線や潜水艦が海外で一向に売れず、中国や他国に競り負ける大きな要因につなっているのではないでしょうか?それは突き詰めていくと、人口が世界最速で減り続け高齢化しているこの島国が、将来的に何で食っていくのか、ということにつながっていきます。日本の税収の大部分は大企業が負担しており、それが多くの日本国民の生活を支えているのです。

私はWebシステム開発業界ですが、以前こんな経験したことがあります。

ご担当者様「何が何でも1週間でバグ1,000個出してください。出すまでテストは終われません」

わしら「え?いや、どう考えてもそんなに出ないですが・・・。せいぜい頑張って数十個だと思います。もし期間内にそこまで出なかったらどうなるでしょう?予定もありますよね?」

ご担当者様「それは御社の問題ですので知りません。とにかく1000個出してください。じゃないとテスト合格は出せません。」

わしら「え・・・」

という目がテンコジェーピー(死語)な指示がありました。

間接的に言うと「バグをねつ造しろ」ということです。

「まぁ、文言の修正もカウントしていいからとにかく出してよ。数字をクリアしないことには上が納得しないからさ、今このタイミングで基準の見直しなんか出来ないし、よろしく」

ってことだったのだと思います。本質的には三菱電機の問題と一緒かと思います。もしバレたらもしかすると「デジタルファーム バグをねつ造」「代表取締役 田中亨を事情聴取 企業トップがねつ造を主導」とか書かれていたかもしれません(どんだけうち大企業なんだ)。

ちなみにこの時は結局ごにょごにょした記憶がありますが、どうしたんだろう。あ、そうか、ちゃんと1000個出たんでした。良かった良かった。

まあこれはもう時効かなということで書きましたが、20年間でこの1件以外、全くこのような指示を経験したことはありません。今もそういう会社ってあるんしょうかね?(ありそうですが・・・)。

今の時代、ある意味大事なのは、「ルールを守ろう」、ではなく、「そのルール、なんかおかしくね?」だと思います。ルールを破ることを推奨する訳ではありません。ですが、「ルール破ったな!とにかくケシカラン!!」だけでは何も事態は改善しません。

世界や社会のルールは大きく変わりつつあります、ではなく、すでに変わってしまったのです。我々の住んでいる世界は、すでに我々の知っている世界ではありません。過剰品質は結局自分たちの首を絞めるブーメランです。視点を変えて考え、行動する必要性があらゆる職場、あらゆる企業、あらゆる業種で求められているように思います。

 

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