ロコ・ソラーレに見るSNSの機会損失

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ロコ・ソラーレに見るSNSの機会損失 Web活用

先日、faceboookに北京五輪で銀メダルを取ったロコ・ソラーレの公式アカウントが、インスタの偽アカウントについてこんな注意を促していました。

  •  LocoSolare | Facebook
    『インスタグラムのなりすましにご注意ください』
    マネジメント事務所スポーツビズより
    いつもロコ・ソラーレを応援いただきまして有難うございます。
    インスタグラムにて「loco_sorare」というサイトがございますが、こちらはロコ・ソラーレのオフィシャルインスタグラムではございません。
    現状チームのオフィシャルインスタグラムは存在しておりません。
    あたかもオフィシャルのような見せ方や、選手のインスタからの写真の引用等も無断でおこなわれております。
    応援をいただいているみなさまには大変ご迷惑をお掛けしております。あくまで外部の方が無許可で運営をしているサイトですのでご注意ください。
    今後ともロコ・ソラーレの応援を宜しくお願い致します

これですね。一応晒しておきます。フォローは辞めましょう。

そもそもこのfacebookのアカウント自体も一見すると少し怪しげなのですが(失礼!)、前回の平昌冬季オリンピックで銅メダル獲得の試合をライブで見てからカーリングすっかり好きになってしまい、そこからフォローさせていただいていました。で、一人のにわかファンとして普段見ていてまぁ間違いなく本物だろうなとは思っていたのですが、念のため「マネジメント事務所スポーツビズ」のサイトを見に行ったのですが、全くお知らせにそのアナウンスがありません。「あ、あれれ?」と思い、ロコ・ソラーレのブログを見に行ったところ、同じ文章が掲示されていたので、ほぼ本物と考えて問題ないでしょう。

なぜ事務所サイトには掲示しないのかよく分かりませんが(アナウンスする事によって偽垢の知名度を上がるのを恐れた?アカウント名をリンクにしていないところがそうなのかなとも)、こういう詐称アカウントはスポーツ業界でも昔から良くあり、被害が絶えません。微妙に公式の雰囲気をまといつつ、公式だよとは一切言っていないところがミソです。勿論写真等はネットで転がっているのをじゃんじゃん拾って勝手に乗っけてます。

主要なSNSをやらない事は、単に機会損失となるだけではなく、このようなブランド劣化を招く要因ともなりえる、一つの典型例と言えるでしょう。インスタのようなツールは、特に女性を中心とした若い世代へのアプローチには一定の影響力がありますので、運用するのは今の時代もはやマストです。今回のインスタの件は、偽垢にも驚きましたが、むしろやっていない事の方に驚いてしまいました。SNSはいろいろあるので全部はやりきれないと思いますが、ロコ・ソラーレのイメージからインスタは絶対やってるだろうなと勝手に思い込んでいました。

スポーツチームがSNSを行い、普及啓蒙活動を行う事はもはやマストです。そんな事は誰もが分かっています。しかしなかなかやりきることが出来ません。理由は大体の場合リソース不足に行き着きます。ロコ・ソラーレですら十分な余裕が無いのです。日本の場合、野球とかサッカーのごく上澄みのチームを除いて、ほとんどのスポーツチームというのは、マーケティング、マーチャンダイジング、営業の力が極めて脆弱で、リソースがほぼありません。端から見ていて「インスタのアカウントくらいやれるやろ」と思う人もいるかも知れませんが、それが難しいのです。私もスポーツに関しては、複数の日本代表サッカー選手、年末大晦日に行われる格闘技、北海道コンサドーレ札幌、大分トリニータ等、それなりに場数を踏ませて頂いていますので、痛いほど事情は良く分かります。

知名度が上がっていきますと、当然「上昇気流」が流れていますので、そこでしっかり流れに乗せていかないと、流れの勢いが収まってから何か施策を打っても十分に機能していきません。今後カーリングは次のオリンピックまでに緩やかにご祝儀的関心度はまた落ちていくでしょう。関係者はみんなそれを分かっています。

こちらのブログにもある通りで、現場でチーム、スタッフが頑張って結果を出している間に、是非ともうまく流れを更に勢いづかせて欲しいと思っています。

  • 本当に強かった日本代表ロコ・ソラーレと、4年に一度から今度こそ脱却したいカーリング競技(竹田聡一郎) – 個人 – Yahoo!ニュース

     実際にカーリング協会は多くの役員が無報酬で活動している。日本選手権レベルの大会でもタイマーや競技委員などは雀の涙ほどの日当を受け取るのみで、場合によっては身銭を切って大会運営に携わっているケースもある。その熱意と献身には本当に頭が下がる。

     その一方で、これだけの盛り上がりと質の高いエンターテインメントを生むスポーツなのだから、この現状を清貧や美談と解釈しては決してならない。現状のまま4年、また次の4年と、いたずらにメジャー化のチャンスをつぶしてきたのではないだろうか。場合によってはロコ・ソラーレを、他チームのスター選手を広告塔にしてもいい。お金がないなら集める努力をしてきたのだろうか。

     また、今回の五輪、男子で金、女子とMDが銅メダルを獲得したスウェーデンの公式ウェアを手掛けたのはユニクロだった。男子でベスト4に進出したアメリカ代表にはトヨタ、MD金メダルのイタリア代表にはスズキ、現地法人ではあるが日本から世界に出た誰もが知る大企業がスポンサーとしてついている。果たしてこれでもカーリングはお金が集まりにくいのだろうか。

     ロコ・ソラーレの快挙に水を差すつもりは一切ない。むしろお金もプランもご褒美もない中で大きな結果を出したチーム力には脱帽だ。4年後、まだ日本が獲得していない色のメダルを彼女たちが、あるいは彼女たちを倒すライバルが獲得するために。今回の熱狂を男子、MDでも共に味わい、何倍にも増幅させるために。カーリングを4年に一度のスポーツから今度こそ脱却させるために。

今後もロコ・ソラーレ、カーリング業界の活性化を楽しみにしています。

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