今日は秋の新卒向け合同企業説明会。90%以上に内定が出ているので、さすがに来訪者は少ない。うちも一応内定出し済みだけど、更なるワンチャン狙いで出ているところはある。
結構時間があったので、ジョブキタ(求人媒体)のご担当者さんと採用の話をした。結局トータルで4,50人くらい新卒のエントリーがあって2名採用したとお話したらそれはトップクラスの応募数だとのことで、中には採用どころかそもそも応募が全然無い企業も珍しくないとの事だった。勿論ジョブキタさんのご担当者さんがかなり優秀だったところも正直大きいと思う。池岡コンビにはホントに感謝しかない(なれなれしくてすいません)。
「でも生意気ながら、僕から見たらそういう他の企業さんは人気が無いというより、単に自社の魅力をきちんと伝え切れてない面もあるんじゃないですかね?」と言った。どういう事ですかと聞かれたので、
「結局求人がただの「大変なんで、お願いですから作業員さん来て下さい」になっちゃってませんか?。営業と同じでとにかく頭下げて何とか取ろうとしては行けない気がします。お願いされても欲しくないものは買いませんよね?必要なのはお願いする事ではなく、夢を語る事じゃないのかなと。
今の若い人は僕の勝手な推測ですが、我々のようなおぢんとは価値観が根本的に異なります。僕は時代は常に「進化」していると思ってます。おっさんの中には「今の若いもんは」と進化じゃなく「退化」だと思ってるもいるでしょうけど、それこそ時代にアジャスト出来てない証拠だと思うんですよ。
低成長時代を生きていた若い人達には恐らくその仕事へ「夢」、言い換えると「自分の成長ストーリー」や「やりがい」を我々昭和のおっさん以上に、切実に、必要としている世代なのかなという気がしています。
なので例えば稚内の水産加工会社で「製造・販売スタッフ募集」ならそのまま絶対に書いてはいけないと思うんですよ。それはただの作業員募集。スペックしか書かなければスペック競争に巻き込まれて終わりだし(だと結局大手が勝つ)、そもそもスペックだけでは検討の遡上にすら乗りません。そしてほとんどの企業は大手じゃないですよね?
ならば職種としては「製造・販売スタッフ」だとしても「製品作りから学んで頂き商品企画、ネット通販のWebマスターとして活躍して頂きます。またマーケティングスキルも身につけて頂き、総合プロデューサーとして首都圏市場の開拓を担っていただきます。その実現のために更に年収1割を研修・育成予算として割り当てます!」くらいの事を言うべきだと思うんですよ。夢と現実のバランスを取りつつ、未来をきちんと語る事が大事だと思うんです。
もしかして「ネット通販の予定なんてないよ」って言うかも知れません。だったらやればいいんです。つまりここが最も大事な事なんですが、「採用」を通じて「自社を変える」んです。逆説的ですが、魅力的な会社に自社を作り替えるために、採用を利用するんです。つまり採用とは単に人を採る、のではなく、流行の言葉で言うのなら自社の経営パーパスの再定義であり、経営戦略の再構築に他なりません。
同じく中古自動車販売会社なら「営業スタッフ募集」で終わってはいけません。単にノルマが合って給料安く辛い仕事かなとか、成果報酬なんかを強く出したらかえって上司に激詰められるのかなとか思うんじゃないですかね?なのでそれも「自動車販売を通じてお客様のライフスタイルに豊かを演出するお仕事です。共通の趣味を持つ車のオーナー様同士を結びつけて、ドッグラン、キャンプ、様々なイベント企画を立案、SNS広報、実施するスキルを身につけて頂きます。イベントプランナーとして自動車販売を通じてお客様の生活に楽しさを創造するお仕事です」という切り口もありだと思うんです。
これも「うちは自動車販売をする会社なんだから、イベントなんてする予定はないよ」って言うかも知れません。でもそれやらないと人来ないですよね?人来ないのにどうやって事業をGoing Concernするんですか?つまりこれも逆説的ですが、人を採用するために、自社を変えるのです。競合他社への差別化にもなりますから本当の営業にも効果があります。それしか道無いじゃないですか。だって人が進化しているんだから、会社も進化する以外生き残る道はありません。
プロダクトアウトではなく、マーケットインの発想で切り込めば、今まで1人しか応募が来なかったのが100人は来ないかもしれないけど、3、4人は来るかもしれないじゃないですか。つまりそれだけで3,4倍ですよね。すごい効果ですよね。
そして人を騙して集めるために詭弁を弄してそれを言うのではなく、本当に一緒にそこを目指すんです。それこそがトム・ピータースの言う「経営創造-The Pursuit of WOW」であり「経営破壊–Crazy Times Call for Crazy organization」です。え、あの超名著を知らない?トムは元マッキンゼーの敏腕経営コンサルです。なのでジョブキタさん、一緒に採用サイトコンサル・制作のお仕事で組みませんか?」
という話しを延々とした。なんか最近投稿がどんどん長くなって誰も読んでない気がする。
気に入ったらポチっと御願いします→
にほんブログ村
コメント